[フランクフルト 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・フ‌ィンランド中銀総裁は2日、エネルギー価格はECBが想定する「悪化シナリオ」に近づきつつあるが、長期借入コストの急上昇が、エネルギー高による広範な経済へのインフレ波及を抑えると指摘した。

ユーロ圏のインフレ率はここ数カ月、3%を大きく上回っており、年末までにECB目標の2倍に当たる4%に近づく可能性がある。今夏に2回利上げしたECBは、さらなる利上げを迫られている。

ECBはインフレ見通しについて、予想を上回る方向にリスクが傾いているとしているが、レーン氏は上下双方向のリスクを指摘した。

欧州システミックリスク理事会(ESRB)の会合で「エネルギー価格の上昇により、インフレ面ではECBの悪化シナリオに近づいている」と述べた。

一方で「長期金利の上昇は成長を鈍化させ、エネルギーショックが他の物価や賃金に波及する度合いを抑える」と指摘。「これは、成長とインフレの見通しが引き続き、極めて大きく広範な不確実性にさらされていることを浮き彫りにしている」と語った。

各国政府の借り入れコストはここ数週間で急上昇している。主に、米政府の財政政策が持続不可能な軌道にあるとの懸念を背景とした米国債利回りの上昇を反映している。

世界の大手テクノロジー企業が人工知能(AI)投資の資金を調達するため、過去最大規模の債券を発行していることも利回りを押し上げている。これにより、各国政府を含む他の借り手が資金調達が難しくなっている。

レーン氏はまた、テクノロジー企業の借り入れについて、企業価値評価が極めて高く調整が起こる可能性があるため、金融安定上のリスクをもたらすと警告した。

「AI関連バリュエーションの急激な調整は、株式市場や信用市場に波及する恐れがある」とし、「技術革新は経済を変革し得る一方、金融市場はその短期的なリターンを過大評価する可能性があることを歴史は示している」と述べた。

ただレーン氏は、ユーロ圏経済は驚くほど底堅く、エネルギーコスト高に対して、懸念されていたよりも持ちこたえているとした。

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