ロシアのプーチン大統領は1日、モスクワで開かれた国際会議「バルダイ・フォーラム」で、世界は危険な局面を迎えているとした上で、西側諸国に対しロシアの飛び地カリーニングラードを脅かすことでウクライナを巡る対立をエスカレートさせないよう警告した。

プーチン氏は、ロシアは自国の安全保障を守るためにやむを得ずウクライナでの軍事行動を開始したとした上で、ロシアには欧州諸国を攻撃する計画はなく、平和的な共存を望んでいると述べた。

ただ、ポーランドとリトアニアの間に位置する飛び地のカリーニングラードが脅威にさらされれば、核兵器を含むあらゆる兵器を使用して対応するとの従来の立場を改めて表明。「カリーニングラードを含むロシア連邦の領土に対する直接的な攻撃があれば、保有するあらゆる兵器の使用が当然、直ちに検討される」とし、ロシアは「自国の2倍の規模の敵」に直面すると認識していると述べた。「自国の2倍の規模の敵」とは、北大西洋条約機構(NATO)を想定しているとみられる。

その上で「ロシアの優位性を活用しなければならない。もちろん、フランスと英国が核保有国であることは十分理解している。ただ、ロシアが保有しているような兵器を持つ国は他にない。それがロシアの優位性になる」と述べた。ロシアはこれまでも、必要になればカリーニングラードを核兵器を用いて防衛する方針を明確に示している。

プーチン氏はまた、国際紛争で報復の応酬がエスカレートすれば、急速に危険な事態に発展する可能性があると警告。「もはや何も変えられなくなる瞬間が極めて早く、予想外に訪れる可能性があると認識しなければならない」とし、「報復措置が段階的に厳しさを増していく論理は、取り返しのつかない破滅的な地点へとつながる」と述べた。

その上で「こうしたエスカレーションの根底には傲慢さと過信があり、破滅の淵へ向かう道につながる」と警告。主要国が地球全体を壊滅的な状態に陥れる兵器を保有していることに触れた上で、「大量破壊兵器が決して使われないと確信することはもちろんできない。そのことを念頭に置き、(使用される事態を)回避しなければならない」と語った。

このほか、世界的な情勢が変化する中で、国際紛争は今後も続く可能性が高いと指摘。「向こう数年間で世界的にどのようなシナリオが展開しようとも、残念ながら国際紛争が継続する可能性は極めて高い」とし、「現在見られている『根本的な変化』と、こうした変化が大きな見返りを得るための野心やリスクを取る姿勢につながっていることがその一因として挙げられる」と述べた。また、「西側の覇権」の衰退に伴い状況は改善していく可能性があるとの見方を示すと同時に、大惨事につながるようなシナリオは回避しなければならないと語った。

[ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2026トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
ニューズウィーク日本版 進化するテロリズム
2026年10月6日号(9月29日発売)は「進化するテロリズム」特集。

9.11から25年。安価なドローンとAIとSNSの普及で、テロ組織は力を蓄え、脅威を増している

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます