Douglas Gillison Suzanne McGee

[ワシントン 30日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)は30日、投資顧問業者が運用益に応じた成功報酬を受け取れる顧客の範囲を広げる規則改正案を公表した。未公開株やプライベートエクイティー(PE)などへの投資を組み込んだファンドを個人向けに提供しやすくする狙い。流動性の低い資産を扱うファンドの換金や商品設計に関する規制も併せて見直す。

成功報酬は、キャピタルゲインや資産価値の上昇に応じて投資顧問業者が報酬を受け取る仕組み。ヘッジファンドやPE、ベンチャーキャピタル(VC)など未公開市場を中心とする運用戦略で広く使われている。

現行制度では、投資顧問業者が成功報酬を受け取ることのできる顧客には制限がある。規則案は、投資顧問業者の顧客となる規制下にあるファンドなど一定層について、値上がり益などに基づく成功報酬を認める範囲を拡大する。同時に、成功報酬についてファンドの登録・報告書類での開示を求める。

SECは、未公開市場で一般的な報酬体系を規制下のファンドにも認めれば、個人投資家が未公開資産を活用した運用戦略にアクセスする機会が増える可能性があると説明している。

一方、成功報酬は運用成績が高いほど投資顧問業者の収入が増えるため、顧客により大きなリスクを取らせる誘因になるとの懸念もある。

ロイターの取材に対し、チェサピーク・ファイナンシャル・プランナーズのジェフ・ジャッジ氏は「顧客の利益の一部を報酬として受け取るアドバイザーには、リスクを取りに行く理由が生じる」と指摘し、厳格な資産評価方針と十分な説明に基づく顧客の同意が必要だとの考えを示した。

またSECは、一定の間隔で投資家から持ち分を買い戻す「インターバルファンド」の規則も見直す。ファンドが保有する資産の流動性に合わせ、買い戻しの時期を柔軟に設定できるようにする。規制下にあるクローズドエンド型ファンドについて、複数のシェアクラスを設定するための制度も整備する。

一連の規制見直しは、トランプ政権が進める未公開資産への個人投資拡大策の一環。SECのアトキンス委員長は、未公開市場への投資需要が高まっているとして、詐欺などから投資家を保護しながら、個人が参加しやすくすることが優先課題の1つだと説明した。トランプ大統領が401(k)確定拠出年金でオルタナティブ資産への投資機会を広げるよう求めた大統領令を補完する措置だとしている。

これとは別にSECは、未登録証券などに投資できる「適格投資家」の認定方法を増やすことも検討している。具体的には、公認会計士(CPA)、公認金融アナリスト(CFA)、認定ファイナンシャルプランナー(CFP)の資格や、金融業規制機構(FINRA)の投資銀行業務資格「シリーズ79」、リサーチアナリスト資格「シリーズ86」「シリーズ87」などを保有する個人を新たに対象とすることを検討する。

さらにSECは、FINRAが新たに実施する試験への合格を適格投資家の認定方法に加える案についても意見を募る。この仕組みが実現すれば、一定以上の資産や所得を持たなくても、証券や投資、金融、企業活動に関する知識を試験で証明することで、適格投資家と認められる道が開かれる。

アトキンス氏は「市場が持つ活力を十分に享受する機会が、最も裕福な人々や、最も知識があるとみなされた人々だけに限定されるべきではない」と主張。未公開市場への投資にもリスクはあるとしながら、「投資リスクが存在するというだけで個人投資家を永久に排除する理由にはならない」と述べた。

規則改正案や適格投資家の認定拡大案については、連邦官報への掲載後60日間、一般から意見を募集する。

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