Stella Qiu Wayne Cole
[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリア統計局が30日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、燃料価格の急騰を受けて前年同月比の上昇率が加速した。コアインフレ率も3カ月連続で高止まりし、需要抑制を狙った4回の利上げの効果はほとんど見られなかった。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は根強いインフレを受け、29日に政策金利を15年ぶりの高水準となる4.6%に引き上げ、必要に応じて追加利上げを実施する用意があると表明した。今年の利上げ幅は計1%ポイントに達し、他の多くの先進国を大きく上回るペースとなっている。
ただ、CPI上昇率は市場予想をやや下回り、豪ドルは0.2%安の0.6974米ドルとなった。3年債利回りは5ベーシスポイント(bp)低下の4.925%。スワップ市場が織り込む11月の利上げ確率は従来の35%から20%に低下したが、来年3月までには追加利上げが完全に織り込まれている。
CPIは前月比0.4%上昇し、7月の1.0%上昇から伸びが鈍化した。市場予想の0.5%上昇をわずかに下回った。前年比の上昇率は4.0%と、7月の3.5%から加速し、中銀の目標レンジ(2─3%)を大きく上回った。
コアインフレ率を示すトリム平均値は前月比0.2%上昇と、こちらも市場予想の0.3%上昇を下回った。前年比の上昇率は3カ月連続で3.6%となった。中銀が2月に金融引き締めサイクルを開始して以降も鈍化しておらず、統計局が調査する11分野のうち7分野で物価上昇率が3%以上となった。
シティのシニアエコノミスト、ファラズ・サイード氏は、市場が11月の追加利上げリスクを過小評価していると指摘。四半期ベースのトリム平均値は依然として前期比1%上昇する見込みで、中銀にとって高すぎる水準にあるため、市場が織り込む利上げ確率は50%に近い水準であるべきだと述べた。
その上で「中銀は今後6カ月以内にインフレ率が目標に戻るとは見通せず、インフレ期待を抑えるために一段の金融引き締めが必要だ」とし、「政策金利の最終到達点を4.85%とする基本シナリオは変わらないが、利上げは後ずれするリスクがある」と語った。
8月は燃料価格が前月比14.8%上昇した。原油価格の上昇と政府による減税措置の終了が背景。
新築住宅価格は前年比5.4%上昇。建設業者がコスト上昇分を消費者に転嫁した。電気料金は前年比で13.2%上昇した。
ウエストパック銀行のチーフエコノミスト、ルーシー・エリス氏は「中東紛争に恒久的な解決がもたらされない限り、あるいはオーストラリアのエネルギー関連コストの見通しを大幅に引き下げるような他の出来事が起こらない限り、11月の利上げが現在、基本シナリオとなっている」と語った。