[パリ 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会の報道官は29日、ウクライナの輸出枠を再交渉する予定はないと表明した。ロシアの攻撃で経済が圧迫される中、ウクライナ政府はEU市場へのアクセス拡大を求めていたが、これを退けた形だ。
ウクライナとの貿易条件は、EU内で慎重な対応を要する問題となっている。ロシアが2022年に全面侵攻を開始した際、ウクライナ産品に対する関税と輸入数量枠を撤廃した結果、農産物が大量に流入し、欧州の農家の反発を招いた。
EUはこれを受け、2025年に小麦や砂糖、卵などの数量枠を再導入した。
ウクライナは大量に収穫される穀物を原料とするバイオエタノールについて、輸出枠の拡大を求めてきた。
欧州委の報道官は声明で、「輸出枠の再交渉に向けてウクライナ側と協議する予定はない」と述べた。
また、これまでの貿易データは、改定された協定に基づく数量枠が「公平でバランスの取れたものであることを裏付けている」とした。
25年に採用された現行の数量枠は、侵攻開始後に数量制限を撤廃していた時期と比べ、ウクライナ産小麦と砂糖の輸入を抑制する一方、侵攻前の数量枠を上回っている。
激しさを増すロシアの攻撃はウクライナのインフラに被害を与え、重要な農産物貿易を含め、黒海経由の輸出を妨げている。