Stella Qiu Wayne Cole
[シドニー 29日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は29日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、15年ぶり高水準となる4.60%とした。利上げは今年に入って4回目。インフレは高すぎるとし、必要な場合には追加利上げの用意があると表明した。
決定は全会一致。市場も利上げを予想していた。豪ドルは発表直後に一時上昇したものの、その後は0.7014米ドルとほぼ変わらず。市場は今回の決定後、11月の追加利上げ確率を43%と織り込んでいる。
豪中銀は今年に入って計100bp利上げし、2025年の75bpの緩和分を上回る引き締めとなっている。
PIMCOの豪州ポートフォリオ運用責任者、アダム・ボウ氏は「8月の会合以降、豪中銀にとって重要な変化はインフレと経済活動の指標が予想を上回ったことだ。インフレが緩やかに目標に戻ると確信することが、ますます難しくなっている」と指摘。「中銀は追加引き締めの余地を残しているが、今後は成長とインフレ抑制の両立が一段と難しくなると予想する」と述べた。
理事会は「前回会合以降、インフレの上振れリスクの一部が顕在化している」と指摘。「世界的な原油供給の混乱がさらに進み、直近のデータはオーストラリアの成長率とインフレ率が予想を上回っていることを示している」と説明した。
その上で「必要ならばキャッシュレート目標をさらに引き上げるなど、インフレを持続的に目標に戻すために必要と判断される措置を引き続き講じる」と続けた。
7月のインフレ率が予想を上回ったことに加え、中東紛争に解決の兆しが乏しい中で原油価格が再び急騰。政策当局者もインフレリスクの顕在化を繰り返し警告しており、市場は今回の利上げを完全に織り込んでいた。
北海ブレント原油価格は中銀が前回会合を開いた8月以降、20%近く上昇し、物価上昇圧力が広がる恐れがある。30日発表の統計では、燃料費上昇により8月の総合インフレ率が4.1%に再加速し、豪中銀の目標である2─3%を大きく上回ると予想されている。基調的なインフレ率も3.6%と高止まりするとみられる。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアの経済調査責任者、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「当初は企業から家計へのコスト転嫁が懸念したほどではないとの楽観論もあったが、最近のデータはそうではないことを示しており、基調的なインフレ率は上昇している」と分析。また、「金利が需要を抑制する効果も、当初の予想ほど大きくなかったことを示す証拠が増えている」と述べた。