Matthias Inverardi Patricia Weiss
[デュッセルドルフ(ドイツ) 25日 ロイター] - ドイツの化学大手BASFは25日、同業エボニック の買収を巡り同社と予備的な協議を行っていると明らかにした。欧州企業が中国企業との厳しい競争に直面する中、BASFがエボニックを買収すれば、自社の事業ポートフォリオ強化につながる可能性がある。
BASFは声明で「中核事業を強化して高い戦略的適合性を有し、収益性の高い成長を実現することで企業価値を創出する買収という戦略的選択肢を、継続的に検証している」と説明した。
一方、エボニックはこれに先立ち「当社の全株式を対象とする任意の公開買付けについて、BASFから法的拘束力のない提案を受けた」と発表した。
エボニック株の43%を保有するRAG財団も、エボニックへの買収提案を巡りBASFから接触を受けたと明らかにした。
BASFの時価総額は458億ユーロ(522億ドル)であるのに対し、エボニックの時価総額は現在92億ユーロとなっている。
両社の主要株主上位20社に入るデカ・インベストメントのリヌス・フォーゲル氏は「エボニックは比較的低い評価額にとどまっており、買収や提携の魅力的な候補となっている」と述べた。
さらに同氏は「欧州市場が抱える構造的な弱点を考えれば、BASFが業界再編を主導することは論理的な対応だ」と付け加えた。
ただ、買収の実現性は依然として不透明だ。BASFは声明で、予備協議の結果について「現段階では結論は出ていない」と述べた一方、エボニックは正式な協議は行われていないとしている。
投資信託運用会社ユニオン・インベストメントで株式部門責任者を務めるアルネ・ラウテンベルク氏は、今回の買収には十分な事業上の合理性があるとの見方を示した。
同氏は「BASFはエボニックを買収することで、スペシャルティーケミカル分野での地位を強化し、生産設備の稼働率を高めることができる」と述べた。
もっとも地理的な観点では両社の補完性はそれほど高くない。
欧州は両社にとって最大の市場であり、BASFはアジアやその他地域からの収益比率を拡大する方針を掲げている。
同社は欧州化学業界全体と同様、エネルギーコストの上昇と需要低迷によって業績が圧迫されている。