選挙予測で有名な統計学者のネート・シルバーがアメリカの最新の世論調査データを集計した結果によると、トランプ大統領の仕事ぶりを評価しない人は60.2%、評価する人は37.4%。支持率から不支持率を差し引いた「純支持率」は過去最低のマイナス22.8ポイントに落ち込んでいる。
シルバーの予測によれば、11月3日の中間選挙では民主党が上院の多数派を奪還する可能性が高く、下院ではその可能性が著しいという。
トランプの純支持率は、トルーマン大統領以降の大統領が任期の同じ時点で記録した数値を全て下回っている。最も近いのはトランプ自身の1期目のマイナス11.6ポイントだ。
政策領域別に見ると、純支持率は移民問題でマイナス13.0ポイント、貿易でマイナス28.3ポイント、経済でマイナス32.1ポイント、インフレ対策でマイナス46.4ポイント。イラン戦争に反対する人は57.9%、支持する人は33.4%で、純支持率はマイナス24.5ポイントだ。
今回の中間選挙では、下院の435議席全てと上院100議席のうちの35議席が改選される。前回の2024年の選挙では、下院で共和党が民主党を220議席対215議席で上回り、上院でも非改選議席と合わせて53議席対47議席で共和党が多数派になった。上院の採決が賛否同数の場合はバンス副大統領が決定票を投じるので、民主党が上院の支配権を奪い返すには4議席の上積みが必要だ。
共和党が自党に有利な選挙区割りの変更を行ったこともあり、民主党が下院で過半数の議席を獲得する可能性を高めるには、「今日が投票日だとした場合、どの党の候補者に投票しますか」という世論調査の回答で少なくとも4ポイントの差をつけなくてはならない。さらに上院では2桁のリードが必要だ。シルバーによると、現在この数値は民主党が共和党を9.1ポイント上回っている。
一般に、投票する可能性が高い有権者に対象を限定した世論調査では、登録有権者全般を対象にした調査に比べて、民主党のリードが大きくなる。トランプが出馬していない選挙の場合、中間選挙など投票率の低い選挙で投票する割合は、民主党支持者のほうが共和党支持者より大きい。
シルバーの予測によれば、最新の情勢では、民主党が上院を制する確率は69%、下院を制する確率は91%だ。
現在、テキサス、オハイオ、アラスカ、アイオワ各州の上院選で民主党候補が2~5ポイントリードしている(24年の前回大統領選では、この全ての州でトランプが10ポイント以上の差をつけて勝利した)。
さらに共和党は、ネブラスカ州で無所属候補に0.5ポイント後れを取っていて、カンザス州でも民主党候補をわずか0.5ポイントリードしているにすぎない。
民主党が苦戦しているのがメーン州だ。同州では、前回大統領選で民主党のカマラ・ハリス副大統領(当時)がトランプを6.9ポイント差で破っている。ところが、民主党のトロイ・ジャクソンと共和党現職のスーザン・コリンズが大接戦になっている。
現時点での世論調査では民主党が優勢だが、11月までに(株式市場だけでなく)大半のアメリカ人の経済状況が大幅に改善すれば、選挙結果が変わってくる可能性がある。
そしてもう1つ。選挙で共和党が世論調査を上回る票を獲得するというパターンが繰り返されてきたことも、民主党にとって気がかりな要素だ。
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Adrian Beaumont,Election Analyst (Psephologist) at The Conversation; and Honorary Associate, School of Mathematics and Statistics,The University of Melbourne
This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.
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