Kentaro Sugiyama Takaya Yamaguchi

[東京 25日 ロイター] - 片山さつき財務相は25日、日本時間23日の日米首脳会談で、トランプ米大統領が円安への懸念を示したことを明らかにした。日米両政府は、協調介入に踏み切って以降も秩序ある為替維持に努める構えを崩していない。首脳会談でのやり取りを明かし、市場へのけん制を狙った形だ。

同日午前の閣議後会見で語った。為替に関する質問に応じた。

片山財務相は「官邸とも相談の上、私から初めて申し上げるが、先日の日米首脳会談では、為替について、トランプ大統領から円安への懸念が示された」と語った。一方、高市早苗首相は首脳会談で「一般論として、円の過小評価は問題」との認識を示したという。

これらを踏まえ、片山財務相は「私とベセント米財務長官との間で引き続き、為替を含めさまざまな事項について緊密にやり取りをしていくことになる」と述べた。秩序ある為替維持に向け、日米当局が緊密に連携していく考えを改めて示した。

高市首相はニューヨークで開かれた国連総会に合わせ、トランプ氏と会談。ただ、その後の発信機会で首相は為替を巡るやり取りには言及していなかった。

片山財務相の発言後、為替はやや円高方向に振れており、市場では「ここ数日は円安圧力が高まっていた。米側の了解をとった上で(首脳会談でのやり取りを明かすことで)口先介入としてのツールに使ったのではないか」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志・主席エコノミスト)との見方が出ている。

7月末の協調介入後に日米両政府はそれぞれ声明を発表していた。

片山氏によると、両財務相が声明を公表したことは高市首相、トランプ大統領それぞれに報告が上がり、「今回、たまたまそういうことが首脳会談でも確認されたということだ」という。

会見では、足元の為替市場の動向についても質問が及んだが、具体的な言及を避けた。

一方、長期金利が急ピッチで上昇していることに関しても「さまざまな要素において影響を受ける」とし、踏み込んだ発言は見送った。

<城内氏発言も材料視>

この日の東京市場では、1ドル=158円台後半で推移していたドル円相場が157円台後半を付ける場面があった。

片山財務相のけん制発言に加え、城内実経済財政相が同日の閣議後会見で「アベノミクス的な意味でのリフレーション政策は、もうそういう局面は終わっている」と発言したことが材料視された。「2つの発言が円安傾向に歯止めをかけた」(三井住友銀行の鈴木浩史チーフ為替ストラテジスト)との声が出ている。

日銀は17、18両日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%に引き上げた。ただ、直後に円安が進み、関係筋によると、日銀は18日に為替介入の準備段階とされる「レートチェック」に踏み切った。

円安圧力が根強く残る一方、市場では介入警戒感もくすぶる神経質な展開となっている。

日本政府は7月末の協調介入などに先立つ4月30日と5月4、6両日にも為替介入を行った。年間介入額は27兆1342億円となり、過去最大だった2003年の年間介入額(20兆4250億円)をすでに上回っている。

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