Pete Schroeder
[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の金融監督責任者を務めるボウマン副議長は18日、ロンドンで開かれたイベントで、大手銀行を対象とするストレステスト(健全性審査)の改革内容を近く最終決定すると明らかにした。審査手法の透明性を高め、結果を予測しやすくする意向で、銀行業界が長年求めてきた見直しが実現することになる。
ボウマン氏は、FRBが「今後数週間以内」に改革案の最終版について採決すると表明。「不透明で、不必要なほど予測困難だった枠組みに、ようやく終止符を打つ」と述べた。
ストレステストは、2008年の金融危機を受けて導入され、大手行が深刻な景気悪化などに耐えられるかを検証し、各行に上乗せする自己資本要件の決定に用いられている。
銀行業界は長年、FRBの審査には主観的な要素があり、負担も大きいと批判してきており、24年には業界がストレステストの運用を巡りFRBを提訴した。
これに対してFRBはボウマン氏の下で、昨年10月に一連の改革案を公表した。
ボウマン氏によると、新たなストレステストでは、銀行の脆弱性を検証するためにFRBが使用するモデルについて、従来非公開としてきた数式や変数などの技術的な詳細を大幅に開示するほか、毎年設定する仮想的な経済シナリオも、より詳しい情報を公表する。これにより、一般の人々がストレステストの仕組みを理解しやすくなるという。
FRBはまた、各行に課す自己資本要件「ストレス資本バッファー」を算定する際、直近2回のストレステスト結果の平均値を用いる新たなルールを導入する方針だ。ボウマン氏は、銀行に毎年求められる自己資本の変動を抑えられると説明している。
今後は、ストレステストのモデルに関して一般から意見を募る仕組みも設ける。FRBはさらに、ストレステストで判明した潜在的な銀行の弱点を監督当局内で共有し、日常的な銀行監督に活用する考えだ。
ボウマン氏は、銀行自身も既に複数の内部ストレステストを実施していると指摘。監督当局と銀行が、関連する結果を巡って「オープンな対話」を行うべきだとの見解を示すとともに「情報を突き合わせることには大きな価値がある」と述べた。
多くの面で大手行の資本要件緩和を目指しているボウマン氏にとって、今回の改革はそうした銀行資本規制見直しの大きな一歩となる。
またボウマン氏は、FRBが年末までに二つの主要な資本規制の見直しを終えるとの見通しを示した。リスクに応じて必要自己資本を定める「バーゼル規制」と、世界的なシステム上重要な銀行(G-SIB)に対する追加的な資本上乗せ規制が対象。FRBは、これらの見直しにより大手行に求められる自己資本が減少すると見込んでいる。