日本企業のたとえ小さな取り組みでも、メディアが広く伝えれば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく――。そうした「発信と共創の場」をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版は2023年春、「SDGsアワード」を立ち上げました。

2026年、私たちはこの想いをさらに深化させ、ビジネスと社会貢献の融合により強くフォーカスするため、名称を新たに、ニューズウィーク日本版「サステナビリティアワード」として、第4回のプロジェクトを始動しました。

先の見えない今の時代にこそ、日本企業のたゆまぬ挑戦とサステナブルなビジネスモデルが、世界に求められています。私たちは今年も、日本企業によるサステナブルな取り組みを発信していきます。

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世界的に安全・安心な畜産物へのニーズが高まるなか、畜産を取り巻く重要なテーマの一つとなっているのが、抗生物質の適正な使用だ。「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を一つのものとして捉え、一体的に守る「ワンヘルス」という考え方のもと、薬剤耐性リスクを低減しながら、家畜の健康を維持し、生産性も確保する方法が求められている。

過度に抗生物質に頼ることなく家畜のすこやかな成育と飼料利用効率の向上を図る研究開発が各国で進むなか、微生物の力を畜産に生かしてきた会社がある。アサヒバイオサイクル株式会社だ。

抗生物質を極力使用しない畜産をどう実現するか

アサヒバイオサイクルの主力製品である「カルスポリン」は、家畜の健康をサポートするプロバイオティクス(十分に摂取した時に、ヒトや動物の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物。生菌剤)。

その原点には、アサヒグループが長年の研究を通じて培ってきた乳酸菌や発酵乳の活用技術、腸内フローラや腸内細菌に関する知見がある。

それらを家畜の健康維持にも役立てたいという発想から開発が始まり、1986年に「カルスポリン」を発売した。

「カルスポリン」は家畜の腸内環境改善をサポートする製品として、世界約60カ国で許認可を取得、約40カ国で販売されている。目指しているのは、生産者の課題を解決することだけではない。その先にいる消費者の安全・安心で豊かな食卓まで支えることだ。

アサヒバイオサイクルが取り組むアグリ事業では、ビール製造時の副産物であるビール酵母を農業資材として活用し、植物や土壌が本来有する力の発揮をサポートしている。アニマルニュートリション事業で家畜の健康を支え、アグリ事業で植物や土壌を支え、環境事業では微生物による食品資源の循環を促す。異なる領域をバイオ技術でつなぎながら社会課題に向き合うことが、「バイオのチカラで未来を創る。」を掲げる同社の特徴である。

世界の農場に入り「説明ではなく、解決を届ける」