夜間に人工の光を浴びることは、睡眠を妨げるだけではないようだ。新たな研究で、心臓の構造や機能の変化とも関連し、複数の心血管疾患のリスクを高める可能性が示された。

米チューレーン大学の研究チームによると、夜間に浴びる光が多い人ほど、心臓に好ましくない構造変化がみられ、心機能も低下する傾向があった。研究結果は学術誌『ヨーロピアン・ハート・ジャーナル』に掲載された。

心血管疾患は世界で最も多い死因だ。アメリカでは34秒に1人が心血管疾患で死亡しており、予防法の解明を急ぐ重要性を浮き彫りにしている

研究チームは、UKバイオバンクに参加する1万1000人以上のデータを分析した。参加者には手首に装着する機器を7日間身につけてもらい、夜間にどの程度の光を浴びているかを測定。その後、心臓MRI(CMR)検査を行い、心臓の構造や機能を調べた。

その結果、夜間に強い光を浴びていた人ほど心筋量が多く、心臓の壁も厚いことがわかった。こうした変化は、心血管疾患の発症に先立って現れることがある。また、心臓の左側と右側の両方で、機能低下を示す兆候も確認された。

研究を率いたチューレーン大学肥満研究センターのルー・チー所長は、「夜間の光は、睡眠時間を短くしたり、睡眠の質を低下させたりすることで、心臓に影響を及ぼしている可能性がある」と説明する。

その背景には、夜間の光によって体内時計が乱れることがあるとみられる。体内時計は約24時間周期で働く生体リズムで、体のさまざまな機能に影響を与えている。

「今回の結果をほかの研究とあわせて考えると、寝室の明るさが心血管の健康に影響することが示唆される。眠るときに明かりを消すことは、心臓にとって有益かもしれない」とチーは述べる。

体内時計の乱れが細胞や臓器に影響
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