Sarah Young Alexander Cornwell Elizabeth Piper
[ロンドン/パリ/ワシントン/テルアビブ 8日 ロイター] - イスラエルは8日、英国、フランス、カナダがパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のイスラエル人入植地で生産された製品の輸入を禁止する方針を打ち出したことへの対抗措置として、東エルサレムにある英国総領事館を閉鎖すると発表した。
イスラエルのサール外相によると、米国が主導するパレスチナ自治区ガザの支援調整ミッションに英国は参加でききなくなるほか、英労働党の元党首ジェレミー・コービン氏を含む一部の英当局者やその他の外国人のイスラエル入国が禁止される。
サール氏は「こうした措置は主権国家の内政と選挙プロセスに対するあからさまな干渉に当たる」と非難。イスラエルの対抗策はネタニヤフ首相と調整した上で決定したとしている。
英国のバーナム首相、フランスのマクロン大統領、カナダのカーニー首相は共同声明で「(イスラエルとパレスチナが共存する)『2国家解決』の保護に向けたわれわれの取り組みの転換点になる」と表明。こうした取り組みを国連総会の場でも推進していく方針を示した。
3カ国が発表した措置はイスラエルの入植政策を標的とした一連の措置の最新例で、イスラエルの外交的孤立が深まりつつあることが浮き彫りになった。
<12カ国外相が共同声明>
これとは別に、英仏加を含む12カ国の外相はこの日、ヨルダン川西岸のイスラエル人入植地で生産された製品の取引に対する制限措置を支持、または検討するとする共同声明を発表。イスラエルと平和的に共存するパレスチナ国家の樹立を目指す交渉による2国家解決への支持を改めて表明し、「われわれは一致して揺るぎない決意を示す。2国家解決は守られなければならず、公正で永続的な平和の実現に向けて行動を起こす」とした。
英仏加と共に外相共同声明を発表したのはデンマーク、フィンランド、アイスランド、アイルランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン。
ミリバンド英外相は、もはや不正義や苦しみを単に「非難する」だけでは不十分との考えを示し、入植地拡大に反対するため英国は「行動」を起こさなければならないと表明。「2国家解決の破壊を傍観することはしない」と述べた。
フランスのバロ外相も、イスラエル人入植者による暴力の激化で2国家解決の見通しが一段と損なわれる中、ヨルダン川西岸のイスラエル人入植地で生産された製品を禁止する手続きを開始すると表明。「フランスは同様の措置を約束した11カ国と共に、イスラエル人入植地との取引を終了させる」とXに投稿した。
カナダのアナンド外相は「カナダは一貫して2国家解決こそが長期的な平和への道で、イスラエルの正当な安全保障上の懸念にも対処する方策であるとの立場を取ってきた」とXに投稿。「ヨルダン川西岸の違法な入植地は、こうした目標を著しく損なっている」とした。
<米、入植地巡る措置取らず>
米国のルビオ国務長官は、英仏加がヨルダン川西岸のイスラエル人入植地で生産された製品の輸入を禁止する方針を示したことについて、米国は同様の措置は取らないと表明。米国はヨルダン川西岸の不安定化を招くいかなる事態も望んでいないと述べた。
ヨルダン川西岸のイスラエル人入植地の主な産品は、ナツメヤシ、かんきつ類、ハーブ、ワインなどの農産物で、イスラエルの輸出総額に占める割合はごくわずか。このため、輸入禁止措置がイスラエルと各国との大規模な貿易に与える影響は限定的で、象徴的な意味合いが強い。ただ、イスラエルがこの日、ヨルダン川西岸で新たに1000戸の住宅建設計画を発表したことに合わせ打ち出されており、2国家解決への支持を強化する広範な取り組みの一環と位置付けられている。