なぜこれほど重大な危機なのか

今回の鉄砲水は、公園の脆弱な水道インフラにも深刻な打撃を与えた。トランスキャニオン・ウォーターラインは全長19キロのパイプラインで、年間600万人の来園者と、グランドキャニオン・ビレッジに暮らす約1600人の住民に飲料水を供給している。

このパイプラインの40%が破壊されるという壊滅的な被害を受けたことで、現在利用できる飲料水は宿泊客を受け入れられるだけの量を確保できていないとNPSは説明している。8月31日から、観光客は公園内のロッジやホテルに宿泊できなくなり、当地の住民にも節水が求められている。

公園側はこうした措置について、「水資源の安全性と持続可能性を確保するうえで不可欠」としている。

このパイプラインは以前から故障が多かったが、今回の被害は特に深刻だ。サウスリムには水を貯める大型貯水タンクがあるものの、パイプラインが修復されるまでは水を補充することができない。

老朽化したシステムを近代化するため、2億800万ドルを投じる改修事業が2023年に始まっており、来年の完了を予定していた。しかし今回の被害を受け、専門家の間では、工期も費用も大幅に膨らむ可能性が懸念されている。

ユタ州立大学コロラド川研究センターのジャック・シュミット所長はPBSに対し、「峡谷の底にある設備を全部造り直さなければならないようなことになれば、神に助けを求めたいくらいである。その資金をどこから調達するというのか」と嘆いている。

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