Philip Blenkinsop David Lawder

[アッシュビル (米ノースカロライナ州)31日 ロイター] - 米ノースカロライナ州アッシュビルで31日に開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、米国がロシアの参加を認める一方、一部記者の取材を拒否したことに欧州の当局者らから反発や失望の声が相次いだ。世界経済の成長に焦点を当てようとする米国の試みから関心がそれる形となった。

今回の会議は、世界経済がイラン戦争を発端とするエネルギーショックに揺さぶられ、中国の巨額の貿易黒字を巡る緊張が高まり、人工知能(AI)への投資急増が最終的にどのような結果をもたらすのかに身構える中で開かれている。

世界の債務残高は今年に入り約353兆ドルと過去最高に達した。金融安定性を巡る懸念が生じ、一部の投資家は米国債など従来は安全とされてきた資産についても見直しを迫られている。

ベセント米財務長官は会議冒頭で「世界金融危機後、コロナ禍後で世界は債務にあふれており、この状況から脱する唯一の方法は成長によって乗り越えることだ」と述べた。

同氏が会議を開会する中、一部の出席者はロシアのシルアノフ財務相がG20の席に着いているのを目にして驚きと失望を示した。シルアノフ氏がG20の場に対面で出席するのは2022年のロシアによるウクライナ侵攻後初めて。

ポーランドのドマンスキ財務相はロイターに対し、G20の主催国がゲストを招待する権利を認めつつも、ロシア代表が参加していることに不満を示した。ウクライナとの紛争でロシアが侵略者だと強調し、「私にとってロシアと何らかの会話を交わすことは非常に難しいだろう」と語った。

ロシア財務省によると、シルアノフ氏はベセント氏とも2者会談を行い、金融分野での協力のほか、G20の枠組み内での連携について協議した。

米当局者は、トランプ大統領によるウクライナ和平案が会談の焦点だったと述べた。

また、関係筋によると、ベセント氏はシルアノフ氏に対し、ウクライナ戦争が終わるまではロシアに対する経済支援やその他の問題に関する合意はあり得ないと伝達した。

ドイツのクリングバイル財務相は、欧州がロシアに対する追加制裁パッケージを準備しているとした上で、シルアノフ氏の出席は米国の制裁協力姿勢について「かなり憂慮すべき」シグナルを発したと指摘。「(開催国の)米国には、ロシア財務相を通常の参加者として受け入れるべきではないという明確な姿勢を示してほしかった」と述べた。

欧州の財務相や中銀総裁は、参加者による恒例の「集合写真」に参加することにも反対した。写真は最終的にシルアノフ氏抜きで撮影された。

<取材拒否>

一方、米財務省がブルームバーグのチームや、ニューヨーク・タイムズ(NYT)とウォール・ストリート・ジャーナルの特定の記者などに対し、会議取材のための記者証を発行しない決定をしたことも批判を招いた。

クリングバイル氏は「報道機関には会議についてオープンかつ自由に報道する完全に正当な利益がある」とし、「記者や編集チーム全体が排除されることは容認できない」と述べた。

米財務省報道官は、NYTの別の記者を含め300を超える報道機関が取材していると説明し、取材資格には「確立された報道基準に沿った事実に基づく報道を行う責任」が伴うと述べた。

<成長に焦点>

ベセント氏は世界の成長が長きにわたり潜在能力を下回ってきたと指摘。G20各国が取り組むべき成長の阻害要因をいくつか特定したとし、「過剰な規制・行政負担、設計の不十分な金融上のインセンティブと税制、公的・民間投資の不足、国内市場の分断、労働力の技能・流動性の格差」を挙げた。

米連邦準備理事会(FRB)のウォ​ーシュ議長は、投資が世界的に急増しており、これが成長を後押しし、投資機会の不足で資本が滞留していた過去の「貯蓄過剰」を逆転させているとの認識を示した。

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