[28日 ロイター] - 中国上海市が、長らく休眠状態になっている、自由貿易試験区(FTZ)のオフショア債券市場のテコ入れに乗り出す。関係者によると、発行体に対する補助金や、投資のすそ野を広げる措置が浮上しており、需給両面で底上げを図ろうとしている。

FTZは2013年に開設され、16年には国際的な資金調達拠点を旗印にオフショア債券市場が開設された。しかし、海外勢を誘致できず、国内の資金調達ルートにとどまっている。

<発行側への支援>

関係者によると、上海金融監督管理局は、アドバイザリー・法務・銀行その他費用に対する補助金を提案。金額は1件当たり最大220万元(32万7000ドル)で、中央銀行のような注目度の高い外国の発行体に最も手厚い補助をする。環境関連プロジェクトを使途とするグリーンボンドや、デジタル人民元などの金融イノベーションを利用する債券は追加の補助金を適用する。

ある銀行関係者は、流動性の低さと相対的に高い発行コストが同市場の足かせになっていると指摘。「しかし、補助金による支援があれば、FTZ債の発行コストはパンダ債を上回ることはないだろう」と語った。

<需要家拡大>

需要側への取り組みとしては、中国人民銀行(中央銀行)の上海部門が、オンショア銀行のFTZ債券購入を許可したもようだ。これまではオフショアに拠点を置くことが要件となっていた。

ただし完全な自由化ではない。関係者によると、市場の「質の高い」発展に向け、投資枠(クオータ)によって単一債券に占めるオンショア資金の割合を最大50%とする方針。

中国の指標金利は世界最低水準にある。CSPIレーティングスのグローバル戦略・事業管理責任者であるテリー・チャン氏は、FTZ債券市場は中国金融インフラの一部となり、中国政府の人民元国際化推進の一翼を担っていると指摘。「FTZ債は、オフショア人民元の流動性を提供し、人民元資本の循環を促進する上で、点心債やパンダ債を補完することができる」と述べた。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。