John Revill
[チューリヒ 26日 ロイター] - スイスで9月、経済制裁の実施や北大西洋条約機構(NATO)との協力を禁じる、より厳格な中立の是非を問う国民投票が実施される。
国内各地では有権者に戦争拒否を呼びかけるポスターが掲示されている。この取り組みを巡ってはロシアが支持を表明する一方、スイスを欧州の近隣国から孤立させる恐れがあるとの懸念も浮上している。
世論調査によると、有権者は提案を否決するとみられ、直近の調査では反対が62%、賛成が36%だった。ただ、変更を訴える側が現状維持派を上回る資金を投じているため、その差は縮まる可能性があると、世論調査専門家は指摘する。
スイスの中立は1815年に国際的に認められ、1848年以降、憲法に明記されている。これにより、同国は2度の世界大戦に巻き込まれるのを回避した。
しかし、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受けてスイスが対ロ制裁を発動して以降、この立場は脅かされていると、この運動を支持する右派・スイス国民党(SVP)の後ろ盾でベテラン政治家のクリストフ・ブロッハー氏は述べた。
スイスの中立の内容は憲法に明示的に規定されていない。その範囲は1907年のハーグ条約によって定義されており、同条約は、中立国は自国領土の軍事利用を許してはならず、交戦国の間で公平でなければならないとしている。
ブロッハー氏は、制裁を理由にロシアがスイスを紛争の当事者と見なすようになり、中立が損なわれていると指摘。「第3次世界大戦はそれほど遠くないかもしれない。その時、われわれが信頼に足る中立国であるかどうかが重要になる」と述べた。
今回の提案は、スイスが攻撃を受けた場合を除き、いかなる軍事・防衛同盟にも加盟または協力できないこと、また国連が承認した場合を除き、いかなる制裁にも参加しないことを憲法に明記するよう求めている。
SVPを除く大半の政党とスイス政府は提案に反対しており、カシス外相は同案が国家安全保障を損ない、NATOとの共同訓練を妨げるとしている。
同氏は記者会見で「われわれは口頭での非難しかできず、具体的な行動は取れなくなる。それは確実に近隣諸国との間で大きな問題を引き起こすだろう」と述べた。
国民投票は9月27日に行われる。