[上海/北京 26日 ロイター] - 中国で先週、電気自動車(EV)保有者が長年抱いてきた懸念、すなわち電源喪失時に車内に閉じ込められる可能性に対処するための大規模なリコール(回収・無償修理)が実施された。同時にこの動きは、中国政府が自動車の新たな安全基準の策定を主導しつつある現状を浮き彫りにしている。
世界最大の自動車市場である中国で過去最大のリコールとなる今回の措置では、テスラ、シャオミ、リープモーターを含む自動車メーカー9社が計430万台を修理すると発表。乗員が手動でドアを開けるための車内非常用ボタンやレバーが見つけにくい恐れがあるとの懸念に対応する。
安全面の懸念から、中国では2027年から自動車の格納式ドアハンドルが禁止される。このデザインはテスラが最初に導入し、中国国内のEVで広く採用された。
これまで世界の自動車安全規制は欧米が主導してきたが、現在世界最大のEV市場である中国(新車販売の約55%をEVが占める)が、まもなく基調を決める立場になる可能性がある。
コンサルティング会社ガートナーのリサーチ担当バイスプレジデント、ペドロ・パチェコ氏は「傾向は明らかだ。中国は先端車両技術の規制でリーダーの位置に少しずつ近づいている」と述べた。
アナリストによると、中国の自動車メーカーは急速充電バッテリーや先進的な自動運転ソフトウエアといった機能を目を驚異的なスピードで投入してきたが、使用感やデザイン性を優先することが多かった。
現在、中国の規制当局は業界を新たな方向へ導こうとしている。監督を強化するほか、販売した全てのEVの状態や修理履歴を追跡することを自動車メーカーに義務付ける規則を導入している。
上海に拠点を置くコンサルティング会社オートモビリティーの最高経営責任者(CEO)、ビル・ルッソ氏は、「急速なEV革新と機能拡充から、はるかに積極的な安全規制の段階への」転換だと指摘した。
ドアの解除装置やドアハンドルを巡る懸念は欧米でも示されているが、当局はまだ対応を取っていない。