Ruma Paul

[ダッカ 25日 ロイター] - バングラデシュのカビール国務大臣(外務担当)は24日、記者団に対して、サウジアラビア、トルコ、パキスタンの3カ国が今月署名した「メッカ共同防衛協定」への参加をバングラデシュ政府が検討する可能性があると述べた。バングラデシュが同協定への参加に動けば、隣国インドなどとの外交関係が複雑化しそうだ。

バングラデシュは、インドの国境警備隊が人々を強制的にバングラデシュ側へ送り込んでいると非難している。また、2024年8月の抗議運動で失脚して以降、インドに亡命しているハシナ前首相の身柄引き渡しをインド側に求めている。

カビール氏は「中東のイスラム諸国の間で安全保障上の枠組みがあるのであれば、われわれが参加を検討することは不自然ではない。前向きに受け止めている」と述べた。サウジなど3カ国からバングラデシュの指導部、特にラーマン首相に対して参加を呼びかける動きがあったという。

バングラデシュ外務省の関係者もロイターに対し、サウジからバングラデシュ政府に対して協定への参加要請があったと明らかにした。招請がいつ行われたかについては言及しなかった。情報提供の権限がないとして匿名を条件に取材に応じた。

イスラム教スンニ派が多数を占めるサウジなど3カ国は今月、サウジの聖地メッカで、北大西洋条約機構(NATO)の集団防衛原則をモデルとした同協定に署名した。協定には、いずれかの国に対する攻撃は全てに対する攻撃と見なすとの規定が盛り込まれている。

バングラデシュはトルコと同様に世俗主義共和国だが、人口の90%以上がイスラム教スンニ派を自認している。

バングラデシュ駐在のサウジ、トルコ、パキスタンの各大使館は、コメント要請に対して直ちには回答しなかった。

バングラデシュは、投資の呼び込みや輸出拡大、競合する大国との経済関係維持を図るため、対立する地政学的陣営のいずれにも与しない姿勢を取ってきた。

地政学アナリストのコロル・キブリア氏は、バングラデシュが同協定に正式に加われば、インドだけでなく、中国、イラン、日本、クウェート、オマーン、カタール、ロシア、アラブ首長国連邦(UAE)、米国との関係も複雑になる可能性があると指摘。「こうした国々との関係が自動的に断絶するわけではない。しかし、バングラデシュが特定の軍事ブロックに加われば、同国がどちらの陣営に属するのかという問題を避けることは、はるかに難しくなる」と述べた。

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