ウクライナへの本格侵攻が始まる前、ロシア軍の実力が過大評価されていたとの指摘は多い。そして今、アメリカ軍についてもイランが同じような見方を示している。イラン革命防衛隊指導部の最高顧問であるモハマド・レザ・ナグディ准将は最近、米PBS(公共テレビ放送網)の番組で「アメリカ軍はわれわれが考えていたよりも弱かった」と語った。
この発言を単なるプロパガンダや心理戦だと一蹴する人も多いだろう。だがイランとの戦争でアメリカの深刻な弱点が露呈したことも否定できない。
まず揺らいだのが「アメリカと組めば強力な安全保障上の保証が得られる」という考え方だ。中東諸国は長年「保険」としてアメリカ軍の駐留を受け入れ、その存在が敵対勢力の攻撃を抑止すると考えてきた。
ところが2月末に戦争が始まると、イランは周辺国のアメリカ軍基地だけでなく民間施設も攻撃。その後も攻撃が続いていることを受け、ペルシャ湾岸諸国ではアメリカ軍駐留の価値を見直し、新たな同盟関係を模索する動きが出ている。8月7日にはサウジアラビア、トルコとパキスタンが共同防衛協定を締結した。NATO条約第5条と同様、1カ国への武力攻撃を3カ国全てに対する攻撃と見なすものだ。
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