[ソウル 19日 ロイター] - 韓国の半導体大手SKハイニックスは19日、株主還元を強化するため、40兆ウォン(286億1000万ドル)相当の自社株買いおよび消却を実施すると発表した。2025─27年に生み出されるフリーキャッシュフロー(FCF)の50%以上を株主還元に充てる方針も示した。

8月20日─11月19日に最大2400万株の自社株を取得し消却する。

SKハイニックスとライバルのサムスン電子を巡っては、人工知能(AI)向けメモリー需要の急拡大で過去最高益を計上する一方、資本還元の詳細をほとんど示してこなかったため、投資家から配当や自社株買いを通じた余剰資金の還元拡大を求める圧力が高まっていた。

両社の株価は6月に過去最高値を付けた後、AI投資の持続性を巡る懸念から下落している。

SKハイニックスは、事業競争力、堅固なキャッシュ創出力、中長期の成長性に裏打ちされた「本源的価値」が現在の株価に十分反映されていないとの認識を示した。

その上で、株主還元目標について、これまでの「累積FCFの50%以内」から「累積FCFの50%超」へと引き上げる方針を示した。自社株の買い戻し・消却と配当を組み合わせて実施するという。

特別配当を含む還元拡大の選択肢も検討中で、追加の株主還元に関する詳細は10月下旬にも見込まれる第3・四半期決算の発表に合わせて公表するとしている。

取引プラットフォーム・eToroのアナリスト、ジョシュ・ギルバート氏は「今後3カ月間にこの規模の自社株取得を約束したことは、SKハイニックスがメモリー価格が下落に転じるとは考えていないことを示している」と指摘した。

投資会社CLSAのサンジーブ・ラナ氏は、40兆ウォンの自社株買いは、後日さらなる自社株買いや特別配当が発表される可能性があることを踏まえると、投資家の期待を満たすはずだと述べた。

サムスンは、今年以降の株主還元策の詳細を「ごく近い将来」公表する方針だとロイターに述べている。米マイクロン・テクノロジーは、余剰現金の100%を株主還元すると約束している。

SKハイニックスによると、今年第2・四半期末時点の純現金保有高は約69兆ウォン。同社は、株主還元と巨額の設備投資、従業員への賞与との間でバランスを取ることに腐心している。昨年、年間営業利益の10%を現金の形で従業員と分配することで合意したが、今年になって、会社側が賞与の半分超を株式で支給し、一定期間は売却を制限する案を提示し、労組が反発。19日の関係者の話によると、暫定的な賃金協定について労組と最終調整しているという。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。