バーナムが7月、ロンドンの首相官邸の機能を一部移転してマンチェスター中心部に開設した「No. 10 North(北の首相官邸)」なるものが、単なる話題づくり以上の意味をもつようになるかどうかも興味深い。

問われるのは以下の点だろう――北の首相官邸は、地方へのより大きな権限移譲の動きにつながるのか、あるいはシステム変革と同時進行で存在するものになるのだろうか? (保守党やリフォームUKに)政権が交代しても、北の首相官邸は存続するのだろうか? マンチェスターが暗黙の「北の首都」となることを、他の北部地域はおとなしく受け入れるのだろうか? リバプールやリーズ、ニューカッスル、さらにはヨークの人たちからすれば、「ちょっと待て」と言いたくもなるだろう。

1つはっきりしているのは、北部出身の党首を誕生させ、北部に名目上の政府拠点を置くことは、労働党にとって非常に重要だということだ。北部でしっかりと支持を固められなければ、党の存続そのものが危険にさらされる。

労働党は伝統的に、イギリスの工業地帯と都市部労働者階級から支持を集めてきた。それにはかつてスコットランドとウェールズも含まれていたが、今では事情が違う

労働者階級の支持すら怪しい労働党

現在の労働党はむしろ、ロンドンとイングランド北部だけの政党になっている。スコットランドとウェールズでは、民族主義政党の台頭で押しやられた。

イングランドでは、労働党はリフォームUKに押され気味で(リフォームUKは「反ウォーク」や反移民の一般有権者たちに受け入れられている)、さらに緑の党が「特定の争点」をめぐる政治で労働党のお株を奪いつつある(緑の党は強烈な反イスラエルでパレスチナ支持、難民受け入れに積極的で、急進的な社会主義経済政策を掲げている)。

これまでも労働党は、労働者階級の票を独占していたわけではなかった。特に僕の故郷エセックス州では、住民の多くが労働者階級でありながら保守的だ。労働党には、そういう人たちを単に「考え方を間違えている」と見なす悪い癖があり、本来の労働党支持層だと思い込んでいる有権者の多くに自分たちが支持されない理由を立ち止まって考えようとしなかった。

「面白い話し方をする首相」の記憶
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