<「北の首相官邸」まで開設したアンディ・バーナム新首相だが、経済の中心地である南部に比べて、北部出身の英首相は歴史的にもごくわずかだった>
ハロルド・ウィルソン以来50年ぶりに、イングランド北部なまりを持つ英首相が誕生した。
これは重要なことだが、どれほど重要なのかはまだ何とも言えない。
ネットで調べた情報が正しければ、ウィルソン以前で唯一の北部出身の首相を探すには、さらに130年ほどさかのぼらなければならない(警察制度を作り上げたロバート・ピールだ)。そう考えると、アンディ・バーナムの首相就任はそれほど大ニュースではないにもかかわらず歴史的な出来事だ(おかしな言い方だけど)。
バーナムが次期有力候補だということはしばらく前から分かっていたことだが、一方で彼がイギリスに大きな影響を及ぼせるのか、あるいは次の総選挙を生き延びることができるのかは、まだ分かっていない。とはいえ、イングランド北部にはかなりの人口が集中しているのにそれに見合う人数の首相を輩出してこなかったことからも、バーナムの就任は重要な意味を持つ。
イングランド南部出身の僕自身は、そのことに実は気付いていなかったし、現代のイギリス政界には北部出身の大物政治家がほかにも大勢いるのだから、たいしたことではないだろうと思っていた節がある。