Sarita Chaganti Singh
[ニューデリー 14日 ロイター] - インド政府は14日、民間企業の原子力発電事業について、厳格な監督下で承認する制度案を公表した。実績のある海外技術に参入の道が開かれる。
民間企業と外国投資家から厳しく保護してきた原発セクターの開放に向け、これまでで最も明確な具体像を描くとともに、国際的な原子力市場の動向に沿って参入・事業運営については政府による管理を維持する方針を示した。
制度案は意見公募にかける。
草案は原子力エネルギー法に基づいており、企業は正式な事業免許を取得する前に、原子炉メーカーなど供給業者の選定、初期段階の開発作業、用地の確保について、原則的な承認を得る必要がある。正式な免許取得後は、設計、立地、建設、試運転、営業運転の各段階で規制当局による審査を受ける。規制当局に対し、プロジェクトの重要な段階で工事を停止させる権限を含む監督権限を与えることも盛り込まれている。
海外で運転実績のある原子炉設計は導入を認める。ただし原発事業者は本国で取得した免許や運転実績に関する情報の提出が求められる。
また、原発事業者には原子力事故に伴う賠償責任、発電所の廃炉、放射性廃棄物の管理に必要な資金の確保が義務付けられるほか、放射性廃棄物の管理計画の提出も求められる。
インドの原子力産業はこれまでほぼ全面的に国の管理下に置かれてきた。1974年の核実験を受けて国際的な規制措置が発動されて以降、数十年にわたり海外からの核燃料や技術へのアクセスも制限されてきた。政府は昨年、原子力エネルギー法を改正し、民間企業が原子力発電所を建設・運営できるようになったほか、長年懸案となっていた原子力事故時の設備供給業者の賠償責任に上限を設けた。しかし事業免許の発行や戦略的な核物質については、引き続き政府が管理する仕組みを維持している。
世界で3番目に温室効果ガス排出量が多いインドは、今後20年間で原子力発電の容量を12倍の100ギガワット(GW)に拡大する目標を掲げている。この目標の達成には民間からの投資と海外の原子力技術の導入が不可欠となっている。
ロイターは先に、インド政府がアダニ・グリーン、タタ・パワー、リライアンス・インダストリーズなど国内の複合企業に対し、原子力発電への投資を呼びかけたと報じた。