Patricia Zengerle
[ワシントン/ブリュッセル 7日 ロイター] - 米連邦議会上院は7日、ロシアのエネルギー分野などを対象にした包括的な制裁法案を賛成多数で可決した。同法案は7月に死去したリンゼー・グラム上院議員(共和党)が主導した。来月にも下院で審議が開始される可能性がある。
上院は「2026年リンゼー・グラム対ロシア・イラン制裁法案」を86対11で可決。同法案はウクライナ侵攻を続けるロシアに対する経済的圧力の強化を目的とするもので、ロシア政府当局者に対する制裁のほか、中国、インドなどロシア産エネルギーの主要消費国に高率関税を課す権限を大統領に付与する条項などが盛り込まれている。トランプ大統領が求めていた対イラン制裁の拡大も盛り込まれた。
法案が下院でも可決され、トランプ大統領の署名を経て成立すれば、トランプ氏はインドや日本、一部の欧州連合(EU)加盟国などのロシア産エネルギーの主要消費国に対し最大100%の関税を課す権限を得る。また、こうした関税を解除するかどうかの判断も大統領の裁量に委ねられる。
トランプ大統領に新たな関税権限を付与すれば、米国の輸入業者や消費者の負担が増加する恐れがあるほか、共和党が政治的な反発にさらされると懸念する議員もいるため、対ロシア制裁強化に幅広い支持があったとしても、下院での可決が保証されるわけではない。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアに対する大規模な制裁を盛り込んだ法案を上院が可決したことに謝意を表明。「制裁法が成立すれば、侵略者に対する圧力を一段と強め、ウクライナに対するロシアによる戦争を終結へと導く助けになる」と英語でXに投稿した。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長も法案の上院可決を歓迎。「ロシアが勝ち目のない戦争を継続するための資金源を共に断とう」とし、「強力かつ相互補完的な制裁によって、欧州と米国は再び歴史的なパートナーとして協調して行動することで、何を成し遂げられるかを示すことができる」とXに投稿した。
グラム上院議員はロシアの侵攻を受けるウクライナを米議会内で最も強く支持する議員の1人だった。上院はグラム氏の葬儀が行われた7月28日に、連邦議会を訪問したゼレンスキー大統領が見守る中、同法案の審議入りを可決していた。