Jason Lange Simon Lewis

[ワシントン 6日 ロイター] - 米国とイランの戦争が始まって5カ月が経過し、米国内ではこの戦争によって中東の混乱が深まるとの予想が、安定が増すとの見方の3倍に上ることがロイター/イプソスの世論調査で分かった。

回答者の50%は、米国によるイランでの軍事行動が今後1年間に中東を不安定化させると答えた。戦争によって中東が一段と安定するとした17%の約3倍だった。安定度はほぼ変わらないとの回答は16%、分からない、または無回答は17%だった。

ガソリン価格の見通しについても悲観的で、58%が悪化すると予想し、改善を見込んだのは15%にとどまった。

<政治リスク>

調査結果は11月の中間選挙で議会の過半数維持を目指すトランプ大統領と共和党にとって、政治的リスクを浮き彫りにした。

トランプ氏は2025年1月、「愚かな戦争」を避けると訴えて大統領に返り咲いた。共和党支持者は全般にトランプ氏を支持しているが、イラン戦争の行方については見方が大きく分かれた。共和党支持者の80%が大統領としてのトランプ氏の実績を評価し、66%がイランへの対応を支持した一方、戦争によって今後1年間に中東が一段と安定すると考える人は41%だった。

第1次トランプ政権で国務省の中東担当高官を務め、現在はワシントン近東政策研究所に所属するデービッド・シェンカー氏は、戦闘が早期に終結しても経済への影響は続く可能性があると述べた。

一方、イランの軍事能力と地域の代理勢力が大幅に弱体化したとして、戦争によって中東が一段と不安定になるとは限らないとの見方を示した。「イランの能力がどの程度低下したか、その実態が理解されていないと思う。低下は著しい」と語った。

<不人気な戦争>

戦争を支持する米国民は35%にとどまった。戦争やテロへの対応でどちらの政党がより優れた方針を持つか尋ねたところ、登録有権者の37%が民主党、36%が共和党を選んだ。ロイター/イプソスがこの質問を始めた2024年12月以降、民主党が共和党を上回るのは初めて。当時は共和党が39%、民主党が28%だった。経済運営でも民主党の方が優れているとみる有権者が約10年ぶりに多くなった。

ワシントンのシンクタンク、ケイトー研究所で防衛・外交政策研究部門の責任者を務めるジャスティン・ローガン氏は「この戦争は始まった日から不人気で、その後さらに支持を失っている」と述べた。

トランプ氏はイランのミサイル能力を破壊し、核兵器の保有を恒久的に阻止するという野心的な目標を掲げる一方、米軍の犠牲と、それに伴う政治的代償を抑えようとしているとして、難しい選択を迫られていると指摘した。「戦争遂行におけるこうした一貫性の欠如、あるいは方向性のなさがトランプ氏にさらなる問題をもたらしている」と述べた。

<ウクライナ、中国への懸念>

調査では現在進行中の戦争が悪化することや、新たな戦争が勃発することに対し、米国民が強い懸念を抱いていることも分かった。ウクライナ戦争について、58%が状況の悪化を懸念していると答えた。

中国が台湾との紛争に突入することを懸念する人は55%、ウクライナ以外の欧州の国とロシアの間で戦争が起きることを懸念する人は48%だった。米国がデンマークの自治領グリーンランドを巡って戦争に突入することを懸念する人も37%に上った。

ロイター/イプソスの調査は3日まで6日間にわたってオンラインで実施し、全米の成人4505人から回答を得た。

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