Maki Shiraki
[東京 5日 ロイター] - ホンダは5日、2027年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正した。純損益は4000億円の黒字となる見通しで、前回予想から1400億円、黒字幅が拡大する。前提となる為替レートを円安方向に見直したためで、営業利益予想も引き上げる。前年は電気自動車(EV)戦略の変更に伴う損失計上で4239億円の赤字に転落したが、今期は大幅改善を見込む。
修正後の純損益予想は、IBESがまとめたアナリスト16人の予想平均値1629億円の黒字も大きく上回った。
前提為替レートは従来の1ドル=145円から155円へ10円、円安方向に修正した。この結果、営業利益は6500億円と前回予想から1500億円上振れる。EV関連損失を差し引いた調整後の営業利益も前回予想の1兆円から1700億円増える。
一方、EV関連損失額も期初計画から200億円膨らみ、5200億円を見込む。会見した川口正雄最高財務責任者(CFO)によると、EV開発中止に伴う補償は北米のサプライヤー向けが多いため為替の影響が大きく、今回の見通しには「為替の分だけ反映させた」という。補償交渉は始まったばかりで4─6月期は実額が発生せず、全体の補償額がどの程度になるかは「まだわからない」とした。
日産自動車との協業に関しては決定したものはないが、重要性が「増している」とみているSDV(ソフトウエアを無線で更新し機能を追加できる車)の共同開発に向けて「できるだけ早くお知らせできるように進めていきたい」(川口CFO)という。
熊本地震発生後の四輪車の生産停止については、複数の部品の供給が遅れており、特にアステモ宇城(熊本県宇城市)の被災による影響が大きいと説明した。同社はサスペンションの構成部品を製造しており、ダンパーの供給遅れが「非常に大きい」という。生産台数への影響は現時点では不明。
四輪生産拠点である埼玉製作所、鈴鹿製作所、子会社のホンダオートボディーの稼働は夏季連休を挟んで19日まで停止する。20日以降の再稼働は未定。
<4─6月期は二輪好調も、中国の四輪販売苦戦続く>
同時に発表した26年4─6月期の純利益は前年同期比約2.2倍の4509億円、営業利益は同2.1倍の5307億円で四半期として過去最高となった。二輪事業の営業利益2339億円、営業利益率20.5%のいずれも四半期として過去最高だった。川口CFOによると原材料費も想定よりは上がらず、「非常に力強い決算」と振り返った。
四輪の今期の世界販売計画は従来の339万台を維持したが、4─6月期は78万6000台(前年比6.3%減)にとどまった。ハイブリッド車の需要が旺盛な北米は伸びたものの、中国が約8万台とほぼ半減した。川口CFOは「48万台程度とみていた期初の通期計画からすると、ビハインド」と指摘し、合弁企業と協力して「中国に適した車」を増やしていくが、市場投入には時間を要するため「ここ数年はしのぐ時期になる」とも語った。