Patturaja Murugaboopathy

[4日 ロイター] - マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、オラクル、アマゾン・ドット・コム、アルファベットの米ビッグテック5社は、人工知能(AI)ブームを支えるデータセンター向けを中心に、まだ利用を開始していないリース契約の将来の支払い額が総額で約1兆0900億ドルに上ることが分かった。

こうした契約額は、巨大テック企業によるAI投資のかなりの部分が既に確定している一方で、負債に準じるリース債務がまだ貸借対照表(バランスシート)上に計上されていないことを示している。

AI向けコンピューティング需要が今後も急拡大すれば、これらの施設はクラウド事業の次の成長局面を支える基盤となる。一方、需要が期待ほど伸びなければ、各社は解約や縮小が難しく、高額かつ長期の設備能力に対する支払いを抱え続けるリスクがある。

ロイターが各社の開示資料を集計したところ、5社の貸借対照表にすでに計上されているリース債務は約2850億ドルだが、まだ始まっていないリース契約の将来の支払い約束額はその約4倍に上る。

この金額の違いは会計処理のタイミングにより生じるものだ。一般にリース契約は締結しただけでは負債として計上されず、施設が実際に利用可能になった時点で初めてリース債務として計上される。未開始リース契約に係る将来の支払額はそれまで、企業の財務諸表の注記事項として将来の支払予定額が開示されるにとどまる。

こうした契約自体は隠されているわけではなく、格付け会社も一部についてはすでに分析に織り込んでいるとみられる。ただ、その規模の大きさから、AI向け設備投資のかなりの部分が、リース債務や固定負担、レバレッジ指標として財務諸表にまだ反映されていないことが分かる。

もっとも、この1兆0900億ドルが全額、有利子負債に加算されるわけではない。未開始リース契約は通常、長期にわたる支払総額を現在価値に割り引かずに表示しているのに対し、貸借対照表に計上されるリース債務は現在価値に基づいて算出されるためだ。

オラクルはこの点で最もリスクが集中しているようだ。同社が開示している未開始リース契約は2600億ドルと、貸借対照表上のリース債務378億9000万ドルの約7倍に相当する。

これらの契約の大半はデータセンター向けとなっており、2027─29年度に利用開始となる予定で、契約期間はおおむね15年ないし19年となっている。

オラクルは、データセンターのリース契約期間や更新条件、価格設定が顧客との契約内容と一致しない可能性があり、顧客が契約を更新しなかったり、契約を履行できなかったりした場合には影響を受けると警告している。

ロイターがLSEGのデータと会社資料を基に分析したところ、5月末時点のオラクルの有利子負債は、過去12カ月間のEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)の約4.4倍だった。これに認識済みのファイナンス・リース(解約不能のリース取引)債務とオペレーティング・リース(ファイナンス・リース取引以外のリース取引)債務を加えると、この倍率は約5.7倍に上昇する。

S&Pグローバル・レーティングは、オラクルの2600億ドルの未開始リース契約を調整後負債の予測に織り込み、27年度のレバレッジは約4.4倍になると見込んでいる。

未開始リース契約の規模が最も大きかったのはマイクロソフトで、総額は3291億ドルに達した。一方、貸借対照表に計上済みのリース債務は885億2000万ドルだった。

メタは、未開始のオペレーティング・リースおよびファイナンス・リース契約による将来支払額として2789億9000万ドルを開示した。さらに7月には680億ドル規模のデータセンター向けリース契約を締結しており、これを含めると5社の未開始リース契約総額は約1兆1600億ドルに膨らむ。

アルファベットは852億ドル、アマゾンは1372億1000万ドルの未開始リース契約をそれぞれ開示した。

ただし、アマゾンの数字は他社と単純比較はできない。同社のリース契約にはデータセンターだけでなく、物流倉庫やオフィス、航空機、車両なども含まれているためだ。

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