Nell Mackenzie Svea Herbst-Bayliss
[ロンドン 4日 ロイター] - 米JPモルガンのリポートによると、世界のヘッジファンドは7月、テクノロジー関連取引の巻き戻しの影響で、それまでの運用益の約3%分を失った。ただ全戦略ベースでの年初来のリターンは依然として約8%を維持している。1日付のリポート内容をロイターが確認した。
7月はイランを巡る戦争の継続を背景に原油価格が急騰して市場が動揺。半導体株を中心に売りが広がり、アジア市場ではハイテク関連銘柄が大きく下落した。米ハイテク株指数も7%超下がった。
JPモルガンの説明では、損失の主因はテクノロジー株への過度に集中した投資だった。市場環境の悪化によって投機筋は十分な利益を確保できる水準でポジションを解消できなかったという。
レバレッジ水準は7月初めと月末でほぼ変わらなかったものの、期間中は大きく変動した。ヘッジファンドの借り入れは過去5年でみると過去最高水準近辺にあるが、直近12カ月のピークは下回っている。
運用戦略別では、複数戦略を組み合わせるマルチストラテジー型ファンドの7月のリターンはマイナス2.2%で、比較的底堅さを維持。一方、アジア太平洋地域の個別銘柄選別型ファンドは平均マイナス9.4%だった。企業業績よりも株価の値動きを重視して運用するグローバルなクオンツ株式ヘッジファンドの平均リターンは、7月にマイナス5%となった。
JPモルガンのリポートは、調査対象の中でクオンツ系ヘッジファンドのレバレッジが最も高く、想定レバレッジ率は450%だったと指摘した。またヘッジファンドが7月に米国株を売却し、その後9月に買い戻す動きがパターン化していると分析。2018年以降、不採算の株式ポジションを7月に整理する傾向が続いており、今年のポジション圧縮は20年と22年を除けば最も顕著だったとしている。
ゴールドマン・サックスは別のリポートで、世界の個別銘柄選別型ファンドが7月に過去4年間で2番目に大きな月間損失を記録したと明らかにした。アジア拠点の同ファンドに限れば、同行の観測史上最悪の月間成績だったという。
JPモルガンは、過去の値動きの勢いが今後も続くとみて投資する「モメンタム取引」が7月の損失拡大の主因だったとの見方を示した。テクノロジー株への投資姿勢は長期的な観点でも依然として高水準にあり、取引規模も大きかったとしている。