Harshita Mary Varghese Akash Sriram
[4日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXは4日、本格的なモバイル通信サービスを構築する計画を示した。同社の衛星インターネット事業「スターリンク」が将来的に業界大手のベライゾン、AT&T、Tモバイルと競合する可能性が意識され、3社の株式は時間外取引で2.2―4%下落した。
スペースXは昨年発表した2件の取引を通じて、米衛星通信会社エコスターから計65メガヘルツ分の無線周波数ライセンスを196億ドルで取得。スターリンクはモバイル通信サービスに進出するための周波数帯を確保した。
スペースXのグウィン・ショットウェル社長は決算発表後の電話会議で「当社がエコスターから取得した周波数には地上通信向けも含まれている」と説明。スターリンクを「真のモバイル通信サービス」にするのに必要なインフラを整備し、米通信大手3社から「かなりの数」の顧客を獲得できると期待していると述べた。衛星通信網と地上通信インフラを組み合わせ、より広範な無線通信サービスを提供する意向を、これまでで最も明確に示した発言だ。
ショットウェル氏は、モバイルサービス構築は「資本効率の高い」方法になると述べるにとどめ、コストの見通しは明らかにしなかった。
ただアナリストらは、スターリンクを全米規模の無線通信事業へ発展させるには、長年にわたる投資と実行が必要になるとくぎを刺している。
モフェットネイサンソンのクレイグ・モフェット氏は「スターリンクが通信事業者のいずれかとMVNO(仮想移動体通信事業者)契約を結び、一定水準の通信網カバー率を確保できない限り、スターリンクが消費者向けサービスを立ち上げ、今後5年間で既存通信会社と競争できることは極めて考えにくい」と述べた。
ニュー・ストリート・リサーチのデービッド・バーデン氏は「地上通信事業者が30年かけて構築したネットワークを、65メガヘルツの周波数だけでスペースXが再現しようとするのは理にかなわない」と述べた。
一方で、市場はスペースXの破壊的能力を過小評価しているとの見方もある。