ロシアに対抗手段がないわけではない

ホーネットに搭載できる爆薬は約4.5キロと少ないが、補給物資を積んだ軍用車両を破壊するには十分で、航続距離は約100キロに達する。電波妨害をかわすため、標的の捕捉にはスターリンクの衛星通信とAIを組み合わせて使う。

25年にペレニアル・オートノミーは「数十万機のドローン」を生産する契約をウクライナと結んだ。1機6000ドルのホーネットは資金難に苦しむウクライナにとって、費用対効果の高い兵器だ。

司令部や弾薬庫といった大きな標的には、200キロの爆薬を積み320キロ以上離れた標的を攻撃できるファイアポイント社の「FP-2」などを使用する。ウクライナの新興企業ファイアポイントは、FP-2とその原型で長距離型の「FP-1」を1日に200機生産している。FP-2の価格は1機5万ドルだ。

ロシアに対抗手段がないわけではない。米シンクタンク戦争研究所(ISW)のカテリーナ・ステパネンコによれば、ウクライナは標的の特定にアメリカの高度な情報収集能力を頼っている。この弱みを、ロシアが突いてくるかもしれない。

「ロシア政府はアメリカに、『軍事情報の提供をやめるなら交渉に応じる用意がある』と持ちかけるだろう」と、ステパネンコは言う。実際アメリカは25年3月に軍事情報の提供を一時打ち切ったが、これはウクライナに圧力をかけるのが目的だったと思われる。

防衛力の強化も可能だが、一筋縄ではいかないだろう。ウクライナは現在、ロシアが多用するドローン「シャヘド(ロシア名ゲラニ)」を高確率で撃墜している。複雑な追跡システムを構築し、半自律型迎撃ドローンを開発し、さらには機関銃でドローンを撃ち落とす専門部隊を約1100キロの前線全域に配備したのだ。

「ロシアがウクライナのドローンに対して防衛体制を確立するには、最低でも1年はかかるだろう」と、ステパネンコは予想する。

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