中国政府が、人工知能(AI)の急速な発展に伴う予測困難なリスクへの警戒を強めている。中国が恐れるのは、経済や社会の混乱だけではない。AIが長年続く共産党体制そのものの存続を脅かす可能性も視野に入れ、警戒している。一方、AI開発のペースを落として安全性を確保すべきだとの主張には、アメリカと中国の双方から異なる理由で反発の声が上がっている。

中国国営メディアは今週、アメリカのAI開発企業アンソロピックの共同創業者兼CEOのダリオ・アモデイが週末に発表したAIの安全性をめぐる声明に、一斉に反発した。アモデイは、最先端AIの開発を一時的に止め、その間に十分な安全性テストを実施し、モデルが倫理指針に沿って動作するよう調整する必要があると訴えていた。

アモデイは、十分な安全策を講じないままAI開発を急げば、メリットよりもリスクのほうが大きくなると警告した。人間がAIを制御できなくなることや、サイバー攻撃への悪用などを懸念している。ライバル企業であるオープンAIの創業者サム・アルトマンと、スペースxAIのCEOイーロン・マスクも同意した。

中国の愛国主義的な論調で知られるタブロイド紙「環球時報」は9月13日、アモデイの声明について、一見すると合理的に見えるものの、中国のAI産業を標的とする「隠された狙い」があると主張した。同紙は、アメリカがAI競争で優位を保つため、先端半導体やAI技術から中国を締め出す提案が盛り込まれていると指摘した。

中国経済の成長を後押しする可能性のある先端技術をアメリカが規制することに、北京は以前から警戒を強めてきた。一方、AI競争で後れを取ることが国家安全保障にどのようなリスクをもたらすのか、中国の情報機関トップ、陳一新が9月13日、初めて公に明らかにした。

AIの安全性、中国の優先順位
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