Leila Miller
[ブエノスアイレス 27日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は27日、アルゼンチン首都ブエノスアイレスで記者会見し、ミレイ大統領が進める経済改革に強い信頼感を示した。また2027年に集中する対外債務返済についても「アルゼンチンを心配していない」と述べ、同国が対応可能との認識を示した。
ゲオルギエワ氏はカプート経済相とともに行った会見で外貨準備の積み増し、物価上昇率の鈍化、財政規律の維持、ソブリンリスクの改善を評価した。
アルゼンチンを巡っては格付け会社ムーディーズが先週、同国の信用格付けを引き上げた。これに先立ちS&Pグローバルやフィッチ・レーティングスも格上げしており、ミレイ政権の経済安定化策への投資家の期待が高まっている。
一方で市場は今後の債務返済負担にも注目している。IMFの報告書によると、27年の外貨建て債務の返済額は利払いを含め323億ドルに達する見通しだったが、中央銀行が今月、60億ドル相当のレポ資金の返済期限を28年に先送りしたことで負担は一部軽減された。
政府は国際資本市場への本格復帰を避けながら、多国間融資や国営企業の民営化、国内での債券発行などを通じて資金を確保し、債務返済に充てる方針を示している。
債務返済時期は、ミレイ氏が2期目を目指すとみられる次期大統領選の時期と重なる可能性があり、市場では再選の行方や政権交代による政策変更リスクにも関心が集まっている。
今回はゲオルギエワ氏にとってIMF専務理事就任後初めてのアルゼンチン訪問で、ミレイ氏との会談に加え、外貨獲得の柱と位置付けられるパタゴニア地方のシェール油田・ガス田「バカ・ムエルタ」の視察も予定している。
ゲオルギエワ氏はエネルギーなど資本集約型産業が好調な点に言及しつつ、建設業など回復が遅れる分野への支援や、中小企業、家計向けの信用供与拡大が必要だとの認識も示した。
今後IMFはアルゼンチンに対する総額200億ドル規模の支援プログラムに関する第3回審査を実施する。IMFはミレイ政権発足以来、財政健全化や制度改革、インフレ抑制策を一貫して支持し、同国の月間物価上昇率は23年12月の25.5%から、25年6月には1.9%まで低下した。
ただIMFの最新のスタッフ報告書は、アルゼンチンの債務は持続可能としながらも、その状態が維持される確率は高くないとして「例外的なリスク」が残ると警告している。
市場関係者の間では、これからの焦点は経済安定化そのものから、その成果を持続できるかどうかに移っているとの声も聞かれる。
政治リスクも依然として懸念材料だ。ムーディーズは格上げと同時に、改革路線が後退すればこれまでの成果が損なわれる可能性があるとくぎを刺した。