<キング牧師の有名な演説が、"I have a dream"ではなく、"I have a nightmare…"に変わってしまう――。キング牧師が夢見た世界は、トランプの手によって実現しているのか。アメリカ出身芸人のパックンが解説します>

7月4日にアメリカが建国250周年を祝ったが、それにちなんで本コラムの漫画家はアメリカの輝かしい歴史とバカバカしい現状を組み合わせる風刺画シリーズを作成。今回はキング牧師とトランプの照らし合わせだ。

1963年のワシントン大行進。マーチン・ルーサー・キングがI have a dream(私には夢がある)演説で公民権運動のビジョンを示した。この演説から1カ所だけ抜粋するなら「自分の子供は将来、肌の色ではなく人格で評価される国で暮らすことを夢見ている」が最も象徴的だろう。残念ながら、それから63年がたった今でもその夢は(キング牧師の子供がもっと平等な国に引っ越していない限り)実現していない。

風刺画では白人至上主義組織KKK(クー・クラックス・クラン)の「ユニフォーム」を身にまとうトランプ米大統領。背景には脅迫のシンボル「十字架の焼き打ち」、胸には時代に逆行するピンバッジが見える。Jim Crow(ジム・クロウ)とは、奴隷解放以降に南部で導入された黒人の権利を侵害する政策や差別的な社会全体を指す総称。特に有名だったのは無理難題な登録手続きで黒人の有権者登録を妨げる手法。公民権運動後に撤廃されたが、トランプ政権は新法で、投票所における(黒人の保有率が低い)パスポートや運転免許証の提示を義務付けようとしている。つまり手続きで黒人の参政を妨害するジム・クロウ同様、「事務」で「苦労」させようとしているわけ。

Shithole countries(糞だめ国家)とは、2018年に共和・民主両党の上院議員との会議でトランプがアフリカ諸国に対して発したクソダメで軽蔑的な発言。報道された後、本人は否認していたが、昨年集会で「言ったぜ!」と自慢していた。その上「ソマリアとか、不潔で汚くて気持ち悪い犯罪だらけの国」と解説まで付けた。どう考えてもダメというか、クソダメな表現だ。

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