Mathieu Rosemain Yantoultra Ngui

[パリ 24日 ロイター] - シンガポールの政府系投資会社(SWF)テマセクは、欧州・中東・アフリカ(EMEA)向け投資拡大に向けて、欧州の防衛分野に注目している。ロシアによるウクライナ侵攻を受け欧州各国が国防費増額に動いていることが背景にある。

現在、5180億シンガポールドル(4010億ドル)に上るテマセクのポートフォリオでEMEA地域が占める割合は12%にすぎない。テマセクは2024年、29年までにEMEAに最大約170億ユーロを投資する目標を掲げた。

テマセクのグローバル投資部門プレジデント兼EMEA地域責任者のナジ・ハミエ氏はロイターに、「われわれは過去2年間に(EMEAに)約130億ユーロ(148億ドル)投資してきた」と述べた。

欧州が「競争優位性を持つ」分野として、エネルギー移行、インフラ、高級品、産業技術、ライフサイエンスとともに、防衛を挙げた。

欧州各国の国防予算増加を挙げ、防衛は、テマセクが現在より真剣に検討している分野の1つだとした。「シンガポールには、STエンジニアリングという軍需企業がある。それ以外では、防衛分野を本格的に検討したことはなかった。しかし今、抑止力や主権という観点から、われわれは例外を設け始めている」とした。

テマセクは環境・社会・企業統治(ESG)のガイドラインを順守しつつ、純粋な防衛装備品メーカーではなく、「デュアルユース(軍民両用)」部門を投資対象にするとした。

「責任ある経営という観点、また生物・化学兵器には一切関与しないという観点から、ESGに関しては非常に明確なガイドラインを設けている」と述べた。

欧州投資については、最低投資額を2億ユーロ、望ましい投資規模を5億─10億ユーロに設定。投資後に約30人の欧州投資チームが積極的な役割を果たせるよう、規模が大きい案件に絞っていると説明した。

ウェブサイトによると、テマセクの基礎的エクスポージャーの約73%はシンガポール国外にあり、米州が26%、中国が17%を占める。ポートフォリオの約半分は非上場資産となっている。

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