Emily Chow Marwa Rashad

[シンガポール/ロンドン 23日 ロイター] - 複数の業界関係者によると、カタールの国営エネルギー企業カタールエナジーは、韓国やインド、バングラデシュなどアジア向け液化天然ガス(LNG)供給に関する不可抗力宣言を延長した。ホルムズ海峡の閉鎖が続く中、自社の一部LNG運搬船についても10月中旬まで貸し出しを継続しており、輸出障害が長期化して当面は利用する機会がないとみているもようだ。

カタールは世界有数のLNG輸出国で、世界のLNG取引量の約2割を占める。ただイランでの戦争の影響で、カタールエナジーは液化設備の一部稼働停止や供給契約上の不可抗力宣言を実施し、LNG輸出を停止している。

今月に入るとホルムズ海峡を通過するタンカーに対するイランの攻撃が再び発生しており、輸出の正常化見通しは不透明になった。

そうした状況で関係者の1人は、当初8月から9月上旬に期限を迎える予定だった不可抗力宣言の期間が、9月中旬まで延長されたと明らかにした。

バングラデシュ国営石油公社ペトロバングラのアブドゥル・マンナン会長代行はロイターに「カタールからの供給を巡る不確実性は引き続き懸念材料だ。より高コストのスポット市場での調達を余儀なくされており、他国との政府間契約など代替調達先も模索している。供給障害が長引けば、政府のエネルギー補助金負担が増えることは避けられない」と語った。

別の関係者2人は、不可抗力宣言が10月まで延長される可能性があるとの見方を示した。

一方で船舶仲介業者によると、カタールエナジー傘下のカタールエナジーLNGマーケティング(QELM)とカタールエナジー・トレーディング(QET)は、一部のLNG運搬船について10月まで第三者への貸し出しを続けている。

カタールエナジーは約70隻のLNG船隊を運航。関係者は、そのうち数隻を30-90日間のスポット契約で貸し出していると明かした。

ウッドマッケンジーの調査責任者を務めるイクラム・エルミ氏は、最近の契約情報では、少なくとも9隻のQELM・QET管理下のLNG運搬船が、シェブロン、BP、ドイツのEnBW、米シェニエール・エナジー、関西電力などに再貸船されたと述べた。

同氏は「LNG海運市場が急速に軟化して運賃が低下する中でも、こうした貸し出しが続いている。運賃下落局面での貸船は、市場回復を待つよりも船隊稼働率の維持を優先していることを示唆しており、カタールが輸出混乱の長期化を想定している可能性がある」と分析した。

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