「2回目でなかったらできなかった」
油井 CONSEOは広報アンバサダーをやらせていただいて、とても楽しかったんです。その活動の中で雑談をしているときに、私が宇宙で撮影した写真の話をしたら、「もしかしたら、それってコラボしたら結構すごいことができるんじゃないですか?」と言われて、話が盛り上がったんです。
もちろん、「いざやろう」ということになってからは、打ち合わせも私の訓練の合間とか、お互い忙しい中でやっていったので大変でしたけれど、それ以上のやりがいもあったし、価値も見出せたと思います。
地球軌道上(ISS滞在中)でもそうだったのですが、地球に帰還した時に、みなさんがとても喜んでくださっているのが、メールやXのポストへの反応でも分かったので、本当にやって良かったなと思ってます。でも、私の宇宙滞在が2回目でなかったら、初めての時だったら、できなかったでしょうね。
茜 JAXA衛星部門のXの油井さんコラボ企画へのアクセスもずいぶんと多かったようですよ。関係者の1人は「油井さんの綺麗な写真に科学的な付加価値を付けられたし、衛星データの重要性も示せて相乗効果で嬉しかった」と話していました。
油井 本当に、そう言っていただけると、私も提案して一緒に苦労した甲斐があったなと思います。
宇宙飛行士自らが提案するプロジェクトの価値
茜 私は以前から「宇宙の現場を一番よく知っている宇宙飛行士が、それぞれのバックグラウンドを活かして、もっとどんどん宇宙でやる企画や研究を提案すればよいのに。そしてそれが実現できる世界になればよいのに」と思っていて、そのことを色々な宇宙飛行士に聞いてみているのですが、思っていたよりも反応が鈍いんです。
もちろん、宇宙での実験や作業が、国家プロジェクト、国際プロジェクトとして決められていたり、微小重力空間を利用したい研究者がたくさんいたりすることも承知の上で、それでも宇宙飛行士が自ら提案するプロジェクトにはとても価値があると思っています。
一方、そうした事情から、油井さんが言い出すのはかなり勇気がいることだったと思うんです。なので、ご自身のモチベーションとともに、後輩宇宙飛行士のためにも新たな道を切り開いておこう、ということも考えてのことかなと思ったのですが。
油井 後輩がやりたいことをやりやすくなるというのは、たぶんあると思います。
ISS長期滞在は、次に諏訪(理)さんがアサインされていて、今、訓練ですごく忙しくされているのですが、「何か宇宙でやりたいことありますか?」というような話をしたことがあります。そうしたら、やっぱりアイデアがいくつか出てきました。
私としても、諏訪さんが宇宙に行くときは地上でサポートして、なんとか実現させてあげたいなと思っています。こういうこと(宇宙飛行士から提案した企画)をやっている先輩がいるということが、後輩の力になるといいなと思っています。