[シドニー 23日 ロイター] - オーストラリア統計局が23日発表した6月の就業者数は前月比7万6300人増加し、市場予想を大幅に上回った。求職者が増えたことから失業率は横ばいにとどまったが、労働市場の底堅さを示し、インフレ抑制に向けた追加利上げの論拠を強める内容になった。

この発表を受け、豪ドルは0.3%高の0.7020米ドルに上昇。3年物国債先物は5ティック低下の95.40と、6月上旬以来の水準に下げた。市場では8月利上げの確率が33%に低下した一方、年末までの利上げ確率は従来の78%から97%に上昇した。

就業者数の市場予想は1万5300人増で、5月(改定値)は4万3900人増だった。6月の増加幅は2025年4月以来の大きさで、パートタイム雇用が4万7000人増加した。

失業率は横ばいの4.4%で市場予想と一致。労働参加率は1年ぶりの高水準となる67.0%に上昇した。労働時間は0.2%増。5月は減少していた。

バンエックのシニアポートフォリオマネジャー、キャメロン・マコーマック氏は「豪労働市場は、豪準備銀行(中央銀行)に必要な息継ぎの余地を与えないようだ」と述べ、年内追加利上げの可能性が高まったと指摘。「経済が完全雇用に近い状態にあるため、労働市場を冷え込ませることなく、RBAはインフレに真正面から取り組む自由度が高まっている」とした。

中銀はインフレ抑制のため今年に入って3回利上げを実施し、政策金利を4.35%に引き上げた。25年に実施した緩和幅を全て打ち消した形だが、エネルギー価格の上昇が経済に波及していることから、金融引き締めが終わっていない可能性があると警告している。

中東紛争の再燃で原油価格が再び押し上げられており、インフレが長期化する恐れがある。北海ブレント先物は1バレル=95ドルを再び突破し、市場では来年下半期の金融緩和観測が後退している。

BNYのアジア太平洋地域マクロストラテジスト、ウィー・クーン・チョン氏は「労働参加率の急上昇を伴う極めて力強い月次雇用統計は、豪州の逼迫した労働環境を裏付けている」と指摘。「原油価格の再上昇やインフレ見通しを巡る新たな不確実性と相まって、オーストラリア準備銀行(中央銀行)は警戒姿勢を維持するだろう」と述べた。

IGのアナリスト、トニー・シカモア氏は、6月の雇用統計は、労働市場が引き続き底堅いという中銀の認識と整合するとした上で、「中銀の主な懸念は、原油価格が今月26%上昇するなど、すでに物価上昇圧力が懸念されるほど高い中で、労働市場の逼迫(ひっぱく)が賃金の伸び、さらに広くインフレに波及することだろう」と述べた。

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