[マドリード/アテネ/ポンテベス/シチリア 21日 ロイター] - 熱波が襲った欧州では山火事が相次ぎ、フランス南西部ジロンド県では消火活動中の消防隊員2名が死亡した。欧州は世界の中でも最も急速に温暖化が進んでおり、多くの科学者は人為的な気候変動が熱波と干ばつ、山火事の勢いを増大させるとともに、突発的な災害が発生しやすい状況を生み出していると警告している。
フランスのヌニェス内務相によると、死亡現場のジロンド県では山火事の警戒レベルが高水準に引き上げられていた。約2週間前には南東部サヴォワ県でも消火活動中の消防士1人が亡くなる事故が起きている。
一方、南部バール県で発生した山火事について地元当局は21日、数時間のうちに500ヘクタールを焼き尽くし、近隣のコティニャック方面へ広がり続けていると発表した。フランスの山火事予防・通報協会(PSFDF)はこの山火事を「制御不能」と分類し、少なくとも150人が避難している。
スペイン中部グアダラハラ県では、森林火災が制御不能な状態で猛威を振るってから6日目となり、避難者は1200人を超えている。
英水道会社テムズ・ウォーターは、ロンドンと周辺地域に飲料水を供給している約1000万人の顧客に対して水を節約するため、屋外でのホース、スプリンクラー、高圧洗浄機の使用を禁止すると発表した。
英政府の国家干ばつ対策グループによると、7月の降水量は長期平均の3%にとどまっており、南部と東部では全く雨が降っていない。これは1990年代半ば以降の無降水期間としては最長という。
イタリアのシチリア島の気象予報では、21日に内陸部の気温が40度を超える見込み。
農家のマルコ・バルバッチャさんは強風を伴う山火事がオリーブ畑を焼き尽くし、今年の収穫を全滅させ、将来の収穫に必要な木々にも被害を及ぼしたと説明。その上で「何も救えなかった。今年の収穫と木自体も失ってしまい、これはシチリア産エクストラバージンオリーブオイルの将来の生産も失われたことを意味する」と話した。
ギリシャも大規模な熱波に見舞われ、気温が40度に達する見込みであるため当局は屋内にとどまるよう勧告した。
アルバニアでは涼を求める住民と観光客が街中の水飲み場に群がり、ティラナ在住のフェリド・サリフさんは「神に誓って、本日は気温がすごく高い。42度もある。冷たい水なしでは耐えられない」と語った。
セルビアではドナウ川の水位が1946年以来の低水準となり、河川港湾当局はドナウ川およびサバ川を航行するはしけ(平底の船舶)や、船舶が積載量を減らすことを迫られたと発表した。
一方、クロアチアのメディアによると、北部のアドリア海沿岸の保養地ロビニが、氷の塊が降る「ひょう」の被害に見舞われ、数人が軽傷を負った。現地の天気予報によると、ひょう被害はスロベニアとボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア南部から北マケドニアへと広がる見通しだ。