Danielle Kaye Casey Hall
[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米スポーツ用品大手ナイキは、中国市場における販売不振対策として、自社商品のオンライン販売管理を強化し、消費者を公式販売チャンネルへ誘導する方針を打ち出した。中国の国内ブランドとの競争が激化する中で、ブランド価値の回復と値引き販売への依存低減を目指す。
ナイキのキャシー・スパークス中華圏担当副社長兼ゼネラルマネジャーはロイターに、卸売販売業者によるオンライン販売を制限し、消費者をナイキ公式チャンネルへ集約することで、ブランドへの信頼回復と定価販売の拡大を図ると説明した。
計画では来年1月から、中国の主要スポーツ用品小売業者はナイキ製品のオンライン販売を停止し、店舗販売へ軸足を移す。オンラインでは、アリババグループの「天猫(Tモール)」、JDドットコム、短編動画アプリ「抖音(ドウイン)」上に設けるナイキブランドのデジタル店舗のほか、ナイキの公式サイトとアプリを通じて販売する。
スパークス氏は「中国市場は細分化され、混乱した状態になっている。消費者が求めているのは高品質でブランドの価値を正しく伝え、信頼できる体験であり、オンラインとオフラインが連携していることだ」と述べた。
中国はナイキにとって世界第3位の市場だが、業績低迷が続いている。ナイキが先月発表した第4・四半期(3-5月)決算によると、中華圏売上高は為替変動の影響を除いたベースで前年同期比17%減となり、前期の10%減からマイナス幅が拡大した。
中国の安踏体育用品(アンタスポーツ)や李寧(リーニン)といった国内ブランドが市場シェアを伸ばす一方、スイス発のオンやホカなど海外ブランドも存在感を高めている。
今回の措置は、エリオット・ヒル最高経営責任者(CEO)が進める経営再建策の一環。ヒル氏は就任後、競技スポーツ分野への回帰や北米での卸売販売網の再構築、新製品投入などを進めているが、中国市場の立て直しは依然として大きな課題となっている。
ナイキ広報担当者の話では、中国でナイキ店舗を運営する16の販売パートナーの大半が、オンライン販売を停止する見通し。
BNPパリバのシニアアナリスト、ローラン・バシレスク氏は調査ノートで「ナイキに中国や他市場で流通上の問題があるわけではない。問題は商品そのものにある」と述べた。
これに対してスパークス氏は、中国消費者の需要により適した商品の投入も重点課題だと説明。ナイキは中華圏の製品開発担当副社長を新たに任命し、現地向け商品の開発体制を強化している。