フランス1カ国の年間排出量に相当するCO2が

軍事活動がもたらす環境問題の中でも、特に把握が難しいのが戦争に関連した温室効果ガスの排出量だ。

気候専門家レナルト・デクレルクらの研究によれば、ロシアのウクライナ侵攻が原因で4年の間に大気中に排出された温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)換算で3億1100万トンに達したという。「これは例えばフランス1カ国の年間排出量に相当する」と彼は本誌に語った。

この排出量には軍による化石燃料の使用のほか、森林火災やエネルギーインフラの破壊、迂回ルートを飛ばざるを得なくなった航空機の燃料や、戦後の再建といった要因によるものも含まれる。

「グローバルな責任を求める科学者たち」という団体で事務局長を務めるスチュアート・パーキンソンによれば、直接的なデータが手に入りにくいのは、97年に京都議定書が採択された際に軍による温室効果ガス排出量は報告や削減の対象外となったからだ。パーキンソンらの22年の研究では、軍隊の活動によるCO2排出量は全世界の温室効果ガス排出量の約5.5%と推計されている。

「ただしこの推計には戦争に関連した排出量は含まれていない。軍事・戦争関連の総排出量は恐らく、もっと多いはずだ」と彼は言う。

戦争による環境破壊は過大評価されているとの指摘も
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