ところが、2026年3月31日、ティアナさんはバスルームを片付けている最中に未使用の妊娠検査薬を見つけた。そして、「どうせ捨てるなら」と、何気なく使ってみることにした。

検査をしたことすら忘れて20分後に戻ってきた彼女は、信じられない光景を目にする。そこには、陽性を示すラインがはっきりと現れていたのだ。

「現実だとは思えなかった」とティアナさんは振り返る。「化学流産やホルモンの変化で偽陽性が出ることがあると聞いていたので、真っ先にそれを疑った。不妊治療の専門医からは閉経が近づいていると言われていたため、新たなホルモンの変化によるものだろうと思った」

何度も陽性が出てもまだ信じられず、初めて超音波検査で赤ちゃんの心音を聞いた時にようやく実感が湧いたという。「本当に夢のようだった」

出産予定日は12月。ただ、過去のがん治療による影響があるため「ハイリスク妊娠」と判断された。今後は厳重な経過観察を行い、医師と相談しながら安全な出産方法を決めていくという。

「人生を通じてずっと無理だと言われ続けてきたから、この小さな奇跡にはただ驚くばかりだ」と、ティアナさんは喜びを語る。

ティアナさんは、陽性の検査薬を夫に見せた瞬間の動画をTikTok(@itstianajo)に投稿した。この感動的な映像は大きな反響を呼び、本稿執筆時点で再生回数は80万回以上、「いいね」は9万1900件を超えている。

自身の体験をネットで発信したことで、ティアナさんは他のがんサバイバーや、不妊に悩む人々とのつながりを持つことができた。彼女は、この奇跡的な妊娠が、誰かに「どんなことでも起こり得る」と信じる勇気を与えることを願っている。

「もし一つだけ伝えられるとしたら、毎日を戦い抜くための理由を、どんなに小さくてもいいから見つけてほしいということ」とティアナさんは言う。「希望を失いそうになるのは簡単だが、過酷な診断を下されたからといって、そこで人生の物語が終わるわけではない。たとえそれが、かすかな光であっても、希望を持ち続ける理由は必ずあると信じている」

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