[ロンドン 16日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は16日、中国によるレ​アアース(希⁠土類)輸出規制の全面的な実施は、6兆5000億ドル規模となっている同国以外の下流生産を危機にさらす可能性があると警告した。

世界最大のレアアース生産国である中国は昨年10月に輸出規制を拡大。対象となる物質を追加し、新たな認可要件を導入したが、その後、実施を1年間延期することに合意した。

IEAは報告書「世界重要鉱物見通し」で、規制が完全に実施された場合、自動車、ハイテク、防衛、エネルギー分野における約6兆5000億ドル相当の生産が供給途絶の影響を受ける可能性があると指摘。経済的影響のほぼ半分は米国と欧州が占めるという。

ビロル事務局長は「われわれの最新の分析によると、膨大な経済的価値が比較的少量の重要鉱物に依存しており、そのサプライチェーン(供給網)は依然として高度に集中しているため、脆弱な状態にある」と述べた。

IEAはまた、電気自動車用バッテリーの主要材料である黒鉛に対する中国の輸出規制計画についても警告。この計画は同時に発表され、後に延期された。

報告書によると、黒鉛規制が完全に実施されれば、中国以外の地域における約3000億ドル相当の下流生産が危機にさらされる可能性がある。中国は世界の加工黒鉛生産の90%以上を占めている。

欧米諸国の政府は、代替となる重要鉱物供給網の構築に努めてきた。IEAによると、新規プロジェクトへの公的資金拠出額は2023年から25年の間に4倍以上に増加し、650億ドルに達した。

IEAによると、米国とマレーシアにおける新たなレ​アアース精製プロジェクトを背景に、中国の世界市場シェアは昨年85%と、23年の90%から低下。計画されているプロジェクトが予定通りに進めば、そのシェアは35年までに70%に低下する可能性がある。

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