Rachel More Christina Amann
[ベルリン 10日 ロイター] - 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)で強い発言力を持つ労働者代表が全面的な事業再編案を阻止したことが10日、関係者の話で明らかになった。
9日に開催された監査役会では、経営陣が提案した事業再編案が従業員側の反対により12対7で否決された。
同社は監査役会後に声明を出したが、アナリストらは、同社が打ち出した「将来計画」は具体性を欠き、より踏み込んだ対策を断行できなかったことを示していると指摘した。
関係者はオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)の提案にはグループ全体で最大10万人の人員削減が含まれ、ドイツ国内の4工場が閉鎖される可能性があると述べていた。
しかしVWが発表した声明では、人員削減や工場閉鎖についての言及は一切なかった。VWは代わりに、監査役会の承認が不要な、車種の絞り込みや生産能力縮小などすでに発表済みの方針を繰り返した。
ジェフリーズのアナリストらは、工場閉鎖や最大10万人の人員削減について、「合意に向けた進展の兆しは全く見られない」と述べた。
バーンスタインのアナリストらは、監査役会後にVWが発表した計画について、「理想は盛り込まれているが、具体的な内容は極めて乏しい」と指摘した。
VWの監査役会には、オーナー一族、労働組合、ニーダーザクセン州政府の代表者が含まれており、この権力分担構造が意思決定を複雑にすることが多い。
VWは数十年にわたり成功を支えてきたビジネスモデルの再構築を迫られ、前例のない圧力にさらされている。同社は現在、国内でのコスト高や過剰生産能力に加え、中国企業との競争激化、規制、米国の輸入関税といった課題に直面しており、これらの要因が相まって、2021年から25年にかけて利益率が半減すると見込まれている。
ニーダーザクセン州のオラフ・リース首相は会合後の声明で「関係者全員が、フォルクスワーゲンおよび自動車業界全体が現在、極めて厳しい国際的な競争環境という危機的な状況に直面していることを十分に認識している」と述べ、州は経営陣と協力してこれらの課題を克服していくとした。