Rachel More Christina Amann
[ウォルフスブルク(ドイツ) 9日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は9日、車種を最大で半分に削減し、生産能力も現在の年間1000万台から900万台へ縮小する方針を明らかにした。中国メーカーとの競争激化や高コスト体質を背景に事業構造の抜本的な改革を進める。
関係者の話では、経営陣はドイツ国内のハノーバー、エムデン、ツビッカウの各工場と、傘下のアウディのネッカーズルム工場の閉鎖を検討している。人員削減規模は最大で10万人に達する可能性があり、実現すれば同社として過去最大のリストラとなる見通しだ。
ただ同社は工場閉鎖や削減人数についてはコメントしていない。
ブルーメ最高経営責任者(CEO)は監査役会後に「世界を取り巻く環境はこの1年でさらに悪化した。そのため今行動を起こす」と説明した。
車種については絞り込みに加え、オプション装備などの構成の複雑さも最大75%削減する考えで、採算性の高い市場セグメントに経営資源を集中させる。
労働組合側は監査役会で追加の人員削減に強く反発した。VW本社があるウォルフスブルクでは従業員らがデモを実施し、労組のIGメタルは「大きな労使対立につながる恐れがある」と警告した。
従業員代表機関トップのダニエラ・カバロ氏は「危機の責任は従業員にはない」と訴え、工場や事務所で不安が広がっていると指摘。労組側は経営陣に対し、工場閉鎖や人員削減に関する報道について説明するよう求めている。
VWは2024年12月に大規模ストライキに直面したが、現行協約下では労働争議を控えることで合意している。
調査会社モビリティー・グローバルのデータによると、VWグループの今年のドイツ国内乗用車工場の稼働率は81%と見込まれているものの、30年には73%まで低下する見通し。このうち閉鎖候補とされるツビッカウ工場の稼働率は今年の88%から30年には42%へ落ち込むと予測されている。
VWは、中国市場での競争激化や欧州の高い人件費・エネルギーコスト、米国の輸入関税などの影響で収益性が悪化しており、21年から25年にかけて利益率は半減した。