Valentina Za Tom Sims
[ミラノ 8日 ロイター] - イタリアの金融大手ウニクレディトは8日、ドイツのコメルツ銀行の保有比率が47.6%に上昇したと発表した。買収に向けて2024年に着手したコメルツ銀の支配権獲得まであと一歩に迫った。
ウニクレディトのアンドレア・オルセル最高経営責任者(CEO)は、保有比率を50%超に引き上げてコメルツ銀の取締役会人事変更を提案できるようにするか、約束していた通りに合意形成を図るかの決断を迫られている。
ドイツ財務省は8日、ウニクレディトの「攻撃的かつ敵対的な姿勢」は容認できないと表明。ドイツ政府は金融危機で経営が悪化したコメルツ銀の救済措置として、2009年から12%の株式を保有している。
コメルツ銀はウニクレディトの買収提案に反対しているものの、建設的な協議には引き続きオープンであるとの姿勢を示している。ウニクレディトも8日、コメルツ銀との協議に前向きだとする声明を出した。
オルセル氏とコメルツ銀のベッティーナ・オルロップCEOは短時間の非公式協議を数回実施してきたが、買収提案を巡る実質的な交渉は意見の相違によって実現していない。
ウニクレディトは、欧州中央銀行(ECB)がドイツの規則に基づいてウニクレディトがコメルツ銀の実質的な支配権を持っていると認定することを期待している。
一方でコメルツ銀の監査役会の株主代表を全て指名するには、株式の過半数を保有することが必要となる。
ホーエンハイム大のハンスペーター・ブルクホフ氏は、監査役会の半数を占める従業員代表がウニクレディトのこうしたアプローチに反対していると指摘。さらに状況を難しくしているのは、救済措置を講じてから政府に2議席が確保されている点だと話す。
前ドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)総裁のイエンス・バイトマン氏が務める監査役会会長の議決権は、議決が同数となった場合に2票としてカウントされる。
オルセル氏は投資家に対し、コメルツ銀の支配権を獲得した後に利益を引き上げる収益向上計画を進める方針を明らかにしている。ウニクレディトは2005年にヒポ・フェライン銀行(HVB)を買収しているが、コメルツ銀を手中に収めてもそれぞれを独立させたまま、数年間にわたってコメルツ銀の収益向上計画に取り組む方針だ。