TOCも同じです。「仕事の流れにはつながりとばらつきがある」という前提がある限り、必ずどこかに「ボトルネック(制約)」がある。すると、全体のアウトプットはその制約に律速される。ならば「ボトルネックを改善すれば全体が良くなる」という非常にシンプルで厳密な科学理論として生み出されたのです。こうした普遍的な科学理論だからこそ、古びることはないのです。

なぜ人は、「全体最適」ではなく「部分最適」に走るのか

── 岸良さんの著書『なぜあなたはマネジメントを間違えるのか?』では、「コストダウンすると利益が増える」「進捗管理をすれば納期は守れる」といった69のマネジメントの通説が覆されていました。経営層が会社を立て直そうとする局面で陥りやすい罠は何でしょうか。

典型的なのは、「前提が変わったのに、過去の成功体験を引きずること」です。「つくれば売れる時代」では、設備稼働率を上げるなど、部分的な効率最大化でも問題はなかった。しかし今は「変化の激しい時代」で、商品をつくっても売れるとは限らない。そんな中で過去のやり方を続けても、うまくはいきません。

問題なのは、うまくいかないことがあると、人のせいにしてしまうことです。そして、つい他人を責めたり、あるいは自分を責めたりする。ですが、失敗しようと思って失敗する人はいませんよね。

責めるべきなのは人ではなく、誤った思い込み。とらわれていた既成概念をみんなで探していくことです。そうすれば誰も傷つくことなく、問題解決は進みます。

誤った思い込みにチャレンジして既成概念を覆すことは科学の進歩・発展の基本です。それを人が関わるマネジメントにも適用すればいいのです。本書の冒頭では69のマネジメントの間違いを指摘していますが、当てはまるものが多ければ多いほど、会社が良くなる可能性が高いことになります。

「見えない制約」をどう見つけるか
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