[フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は6日、ユーロ圏経済は原油価格の下落にもかかわらずイラン戦争前の状態に戻っていないとの認識を示した。コアインフレ率は依然強く、物価上昇圧力が続いていると指摘した。
シュナーベル氏はローマで開かれたイベントで、「原油価格の下落は、われわれが戦前の状況に戻ったことを意味するのか。私はそうは思わない」と語った。
「和平合意はなお脆弱で、市場はより長期にわたって原油価格が高止まりすることを引き続き示唆している。ガス価格も戦前より依然として約40%高い」と述べた。
同氏はこのほか、製油業者の採算指標であるクラックスプレッド(原油と石油製品の価格差)が「戦前の2倍」の水準にあり、パイプラインやサプライチェーン(供給網)の圧力も高止まりし、コアインフレ率も依然強いままだと指摘した。
さらに「われわれは新たなショックにも見舞われている。欧州の熱波や『スーパーエルニーニョ』現象は食品価格を押し上げる可能性があり、降水量は危機的な水準に近づきつつある」と述べた。
現在のショックは既に間接的な影響や潜在的な二次的影響を生じさせているため、一時的なものとして受け止めることはできないとの考えも示した。
ECB理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は同じイベントで、エネルギー価格への戦争関連のショックは市場価格から「消えた」ように見えると指摘し、自身は「比較的リラックスしている」と述べた。
ECBが最後にもう一度、利上げを実施したいのであれば「あまり待ちすぎるべきではない」とも主張した。
「9月には(経済)見通しが出るが、動きが逆方向に転じ始めた時に利上げが遅すぎることになるのではないかとやや懸念している」と語った。