これは一つのケースにすぎないが、一連の輸出規制措置が続いた場合、日本メーカーは広範囲にわたって製造が滞ることになり、その売り上げは全て中国メーカーが奪っていく図式となる。規制がさらに長期化すれば、日本メーカーのビジネスは根こそぎ中国に持っていかれる可能性が高く、そうなると日本の産業空洞化がいや応なしに進んでしまう。つまり、中国は高市発言をきっかけに、禁輸を通じた日本経済の弱体化を画策しているとみられ、これこそが中国の真の狙いかもしれない。

高市氏はレアアースについてアメリカなどからの調達に切り替えるとしているが、アメリカは中国のようにレアアースを大量生産できるわけではなく、その量には限りがある。他の調達先を開拓できたとしても、滞りなく輸入が実行されるまでにはかなりの時間がかかるので、その間に日本メーカーのシェアは次々と中国に奪われてしまうだろう。

もはや中国からの輸入自体がリスク

供給不安はないとする高市氏の発言が本当ならば、中国という人権が保障されない国で身柄が拘束されるリスクを冒してまで日本に密輸する社員などいないはずだ。

ちなみに中国政府は、日本人社員の拘束とほぼ同じタイミングで、輸出規制リスト以外の関連製品も含め、密輸の疑いがある場合には当局に通報するよう、全ての国民や企業に呼びかける通達を出した。中国政府はこのほかにも、特定の日本企業に対する禁輸措置を次々と拡張しており、三菱電機系など既に40社が対象となっている。

もはや日本メーカーにとっては、中国から輸入すること自体がリスク要因であり、原材料を輸入して加工し、それを輸出して利益を得るという日本の産業モデル自体が成立しなくなるリスクをはらんでいる。

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