<中東危機で原油リスクを痛感した各国が急激に再エネシフトを進めつつある――その筆頭はパキスタンだ>

中東危機の出口が見えない状態が数カ月にわたり続いたことで、日本とアメリカを除く各国が急激な勢いで再エネシフトを進めている。各国は今回の危機をきっかけに、原油に依存するリスクの大きさについて強く認識し始めている。意外な展開かもしれないが、アメリカのリーダーシップ喪失がパラダイムシフトの推進力となっている。

アメリカとイランの交渉はようやく合意に至ったとされるが、これまでの支離滅裂な交渉の進展によってトランプ政権は国際社会における主導権を完全に失った。今後も中東からの原油出荷が完全に正常化すると見る関係者は少ない。こうしたなか、注目を集めているのがパキスタンの振る舞いである。同国はイランとアメリカの仲介役を自ら買って出ることで、世界的なプレゼンスを一気に高めた。

仲介役として大活躍できる理由は

日本政府は一貫して原油やナフサは足りていると主張し続けたが、日本と同様、原油依存度が高い東南アジアや韓国では、報道はエネルギー危機一色であり、国を挙げて資源の確保に必死になっている状況だ。

とりわけパキスタンはアジア地域の国の中でも経済が脆弱な部類に入る。本来であれば、原油の供給制限の影響を真っ先に受ける国であり、仲介役を買って出る余裕などないはずだった。だが、同国が外交の舞台で大活躍できている背景にあるのは、驚異的な再エネシフトである。

パキスタンは世界でもまれに見るスピードで再エネ化と電気自動車(EV)化を進めており、2030年までに全発電量の60%を再生可能エネルギーで賄う方針だ。都市部では多くの家庭が太陽光パネルを設置してEVを購入しており、石油由来のエネルギーを必要としていない(グーグルマップの航空写真でパキスタンの最大都市カラチを見ると、屋根の上におびただしい数の太陽光パネルを確認できる)。

カギは政府主導ではなく国民主導
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